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週間活動記録表療法

社会リズム療法
とか
ソーシャル・リズム・メトリック
とか呼ぶことがある

対人関係療法-社会リズム療法とつなげて表記することがあり
その場合には
週間活動記録表に「対人関係項目」を付加して
どの程度の深い対人関係活動をしたか記録することになっている

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しかし経験では対人関係項目を除外したものでも充分に治療として効果的である
なぜか?それが問題である

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社会リズムと
生物リズムを対比したらいいのだろうと思う

太陽のリズムに合わせた昼と夜のリズムが太古の昔からあっただろうことは理解できる

また月のリズムが生命に刻まれていることも容易に理解できる

潮の干満により乾燥と湿潤を反復する領域は水陸両用の生命を育んだろう

太陽のリズムは光合成のリズムでもあるから
順番から言えば昼夜のサーカディアンリズムの方が古くて月と潮に連動するリズムのほうが新しいだろう

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食事のリズムに関しては
生き物は食事の時間なんか決めているはずはなくて
食べられるときに、なるべくたくさん食べておくに決まっているだろう

だから食事のリズムは生物的リズムではなく社会的リズムだと思う

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排便についても社会リズムだと思う
会議なんかしているときに排便していたら大事な話を聞き逃す

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うつ病の回復期に社会リズム療法とか週間活動記録表を使うのは理由がある

うつ病というものはもともと躁状態をもたらすかもしれないような「エンジン」になる細胞が
活動停止した状態である

従ってうつ病からの回復とは、「エンジン」となる「manic cell」の活動回復を待つことである

待っていればなんとかなるのであって、焦ることはない
ただ回復の順番については考えたほうがいいかもしれない
土台から作っていったほうがいいような気がする

脳にはいくつかのタイプ細胞周期を持ったエンジンがある
月の周期と太陽の周期となどのように
この二つは生物的リズムを刻んでいる

たぶん一週間のリズムの細胞はまだないのではないかと思う
進化論的にまだ無理だろうと思う
一週間とか食事のリズムとか排便リズムは
社会リズムに属するのだろうと思う

生物リズムを外側から規定していこうと思ってもなかなかむつかしいのではないかと思う
細胞周期の問題だから

呼吸リズムとか心臓のリズムとかも考えられるが
そうしたものがうつ病の場合に不調になるとも思えない

ただ、夜更かしの「習慣」とかは、習慣の問題なので社会的に訂正できる

上に書いた社会リズムに属する部分は人間が自分の意識の力で訂正しやすいだろうと思う
生物学的リズムについてはしばらく待つしかないだろう、それは傷が自然に治るような具合だろう

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寝たい時に寝て、起きたい時に起きるなんていうのは、実は難しいと思う
(意志の力で眠くなって寝るのではなくて、眠くなるから、意志が動かされて、寝るのだ
意志の力で起きるのではなくて、起きたくなるから、意志が動かされて、起きるのだろう)
寝たいと思うときはすでに脳内で寝る準備が完了していて要請が来ているに過ぎない
それを追認しているのが意志である

一週間のスケジュールをどうするかは生物学とは全く別の次元で、社会の次元の問題だろうと思う

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こう考えてくると
うつ状態で生活リズムがうまくいかない場合、
まず進化論的に古いものから順番に再建することを原則とする

するとまず生物学的リズムが先であって
睡眠リズムである(睡眠リズムに連動しているのが太陽を浴びてメラトニンを生成するリズムである。
また成長ホルモンなども睡眠リズムと連動している。)
次に月経リズムである(これは下垂体、視床下部系と関係している)

その次に社会リズムで
食事
排泄
対人接触つまり挨拶とか会話とかになる

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外来治療では治療者がつきっきりで指導することはできないのだから
治療者にとっては待つことが主要な課題となる

しかしそのように、あてもなく、保証もなく、待つことが、実に治療的なのである
強制したところでできるようにはならないのだ

掛け算の九九を覚えるようなもので
6の段が終わったからといってすぐに7の段が覚えられるものでもないだろう
むしろ6の段を何度も繰り返して自信をつけることが7の段へのチャレンジになっている

治療者は患者を『次』へと急き立てる必要はない
ただ待つべきであるし、待っていて、『すでに出来るようになっていた』と気がついたときに7の段を勧めれば良いのである

どのタイミングで勧めるかと聞かれれば
『その課題について、すでに出来るようになっていた』タイミングで勧めるのである

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ところで
週間活動記録表療法では
「一週間」という人為的で社会的なリズムを基礎としている
そこが面白い

生物学的に言えば月・28日と日・24時間が単位となるはずである
陰暦がちようどいいはずだ
28日スケジュールが生物学的には合理的である

しかしそのことについては薬剤を使い休息を取ることで調整が進む

人為的に調整できるのはむしろ週間スケジュールである
土日の休みをどう使うとか
水曜はノー残業デーにしようとか
金曜の夜は付き合うとか
社会リズムを記入しやすいのである

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脳にあるいろいろな周期のリズムを刻む細胞
それらの再建を考えるとき
順番があるだろうと思うが、どうだろうか






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