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このブログは品川心療内科「心の平和」ブログです。(720個)

このブログは品川心療内科「心の平和」ブログです。(720個)

精神科専門医師募集

精神科専門医師募集

1.外来診察業務、臨床心理士指導業務

2.品川勤務

3.休日、年俸相談

4.性別不問、年齢35歳から50歳くらいまで 

5.精神保健指定医、精神神経学会認定医、必須

6.必要なものは情熱、コミュニケーション能力が高いこと



「共感的理解」 「無条件の受容」 「自己一致」

 「共感的理解」 「無条件の受容」 「自己一致」
意見を聞いてみるとこんな感じ

カウンセラーの3条件

 一般にロジャーズ流カウンセリングで、「クライエントの人格変容のためのカウンセラー側の態度条件」と言われるのが、以下の3つです。
 
(1)純粋性(genuineness)

 端的に言えば、カウンセラーが「あるがままの自分」でいることです。「自己一致」(self-congruence)という言葉を使うこともあります。
 「自分が今こんな風でいる」という自己概念と、実際の自分のありようが一致している。あるいは、自分の今の状態(知識、感情、感覚など、全ての部分)がちゃんと自分でわかっている、感じられている、ということを指します。

 なぜこれが大事なのかと言うと、カウンセリングでクライエントと向かい合ってやり取りしていくと、カウンセラーの中にいろんなことが起こってくるんですね。
 例えば、知識のレベルで「クライエントはこんなことを言っているけど、これは親に依存したい気持ちの表れではないか」と考えたり、クライエントを見ていて感情のレベルで悲しい気持ちが起こってきたり、もっと低いレベルで何だか暗く重たい感じになってきたりします。
 そうしたいろいろなことが起こった時に、「日頃の自分の感じ」がわかっていると、自分の中で感じられるそれらのことにすぐに気がつきますし、どこから起きているものなのかがわかります。
 例えばカウンセラーの中に「悲しい気持ち」が起こってきた時、話を聴いている自分自身に何か同じような経験があって悲しくなったのか、それともクライエントの中で起こっている悲しい気持ちをそのまま引き受けてしまっているのか、といった区別がつきます。
 (相手の感情が入ってきてしまう、あるいは引き受けてしまうということは、実際に起こります)

 カウンセラーが自分のことと相手のことをちゃんと区別して、2人の関係で起こっていることをちゃんと捉えて、「あなたの話を聞いていて、今こんなことを感じるんだけど」といった具合にクライエントに返していくことで、クライエントも自分自身の中のことや、自分が人に与えている影響などをだんだん受け止められるようになってきます。

 自己一致しているカウンセラーと反対に、悩みを持ってやってくるクライエントは自己不一致(自己疎外)な状態にあります。自分自身でいられない、自分のことが自分でわからない、そういった状態です。
 そのクライエントが、自己一致したカウンセラーと関わっていくことで、だんだん自分自身に戻っていく、自分のことを自分で受け止められるようになっていく。それがロジャーズ流カウンセリングのプロセスの大事な部分です。

(2)共感(empathy)、あるいは共感的理解(empathic understanding)

 クライエントが感じている感情や、クライエントの今のありようを、あたかもクライエント自身であるようにカウンセラーも感じていくこと、を指します。
 例えばクライエントが「私は悲しいんです」と感情を表現したとき、同じようにその悲しみを感じつつ、「あなたは悲しいんですね」と返していく、そんなあり方です。

 ここで一つ大事なのは、「共感」と「同情」(sympathy)とは違うということです。
 カウンセラーとクライエントの「個人」としての境目が不明確になってクライエントの感情がそのままカウンセラーの中に入ってきてしまったり、あるいはカウンセラーが「私に任せなさい」とばかりにクライエントの感情をそのまま背負い込んでしまったりすることがあります。これらは「共感」とは言えません。
 あくまでカウンセリングの最中は、カウンセラーは自己一致して個として自立した人間でいる訳ですから、クライエントと同じようなことを感じていたとしても、自分というまとまりはちゃんと持っているようにしないといけません。

 もう一つ、「所詮他人なんだから、クライエントと同じ気持ちになれるわけがない」と言われることもあるんですが、それは違っていても構わないのです。物理的に厳密にイコールである必要はありません。
 それでも、カウンセラーが同じような気持ちを感じて、自分(クライエント)と同じ場所にいる、そのあり方がクライエントに伝われば、クライエントは勇気づけられます。そしてカウンセラーと一緒に、落ち着いて自分のことをやっていけるようになっていきます。

 これは精神分析をやっている神田橋條治氏の著書「治療のこころ」という本に出てくる話なんですが、患者と治療者との関係は二者関係ではなくて三者関係なのだそうです。三者とは「患者」「治療者」、そしてもう一つは「二人で向かう目標」なのだそうです。例えば「いい人間関係が作れるようになる」とか、「ある問題が解決する」とか、その治療が目指していく目標ですね。
 で、ちょうど四国八十八カ所を廻るお遍路さんが「同行二人」(自分はお大師さまと二人で歩いている)と笠に書くように、患者と治療者が同じ目標に向かって一緒に歩いていくのだと。
 そうでなくて、「私にお任せください」とか「治療します」といった具合に単純に治療関係を始めてしまうと、これは「患者」と「治療者」の二者関係になってしまって、患者が治療者に依存してしまったりしてしまうので、良い関係にならないのだそうです。

 これは精神分析での話ですが、ロジャーズ流のカウンセリングにも通じる話ではないかと思います。
 カウンセラーが同情して相手の悩みを背負い込んだりするのではなくて、二人が個と個として関係していく中で、クライエント一人ではできないことが何かできるかもしれない。あるいは今は二人ともわからないけれど、何か新しいことが出てくるかもしれない。そういった可能性に賭けていくのがカウンセリングです。

(3)無条件の肯定的尊重、無条件の積極的肯定(unconditional positive regard)

 クライエントの話の内容、感じていること、全体のありようなどを、肯定的に尊重して受け入れていく、という態度をいいます。

 まず「無条件の」というところが一つのポイントです。
 カウンセリングの場面で、「こういうあなたならOKだけど、違うあなたならNot OK」といった条件を付けられると、クライエントはとても不自由になります。
 カウンセラーに認めてもらえないような考えや感じが浮かんできても、それを口に出せなくなるし、ちゃんと自分のものとして受け取れなくなります。
 いっさい条件や評価をつけずに、「あなたの中で感じられること、起こっていることは全てそれでいい。そのまま受け取っていいんだよ」、そういったメッセージがカウンセラーからクライエントへ通じることで、クライエントがより自分自身に近づいていけます。

 フォーカシングでは、やった後に自分が感じたこと、体験したことなどの「ふりかえり」をするのですが、そのふりかえりの際に大事なのが「評価をしない」ということです。自分が体験したことは、いろいろ評価をつけずに、感じたそのままで受け取ります。
 なぜなら、評価をしたとしても、その体験そのものは変わらないからです。
むしろ、いい悪いの評価をしたために、せっかくいい体験をしてもうまく自分の物として受け取れなくなることがあります。
 このやり方は、ロジャーズ流カウンセリングにも通じるところがあります。

 また、尊重していることや受け入れていることが、クライエントにも伝わっていかなければいけません。カウンセラーがいくら「尊重している」と言っていても、クライエントにその雰囲気やありようが伝わっていないと意味がありません。

 日常生活で考えてみると、例えば親子の関係で「おとなしくしていたらおやつをあげる」とか「あの人と結婚すればいいけどこの人とはだめ」などというのは、条件付き肯定です。
 仕事場で「この目標を達成できればOKだけど、できなかったらだめだよ」というのも、条件付き肯定です。
 そうやって考えてみると、日常生活の中では条件付き肯定がとても多いことがわかります。
 だからこそ、カウンセリングの時間の間だけでも、無条件の肯定の場を作って、あらためて自分のありように触れてみるのが大切なのではないかと思います。

ーー
もともと同時に成り立ちようのない3つなのだと納得出来る

無矛盾の論理体系などが議論されるのだけれど
この3つのように、話が始まった瞬間に終わるというのも実に鮮やかである





“失敗?私は失敗なんて一度もした事無いぞ。 ただ1万種類に及ぶ電球のフィラメントに適さない素材を発見しただけだ。” エジソン

“失敗?私は失敗なんて一度もした事無いぞ。
ただ1万種類に及ぶ電球のフィラメントに適さない素材を発見しただけだ。”
エジソン

現実に適応する

私としてはこの(一見)くだらない現実に「適応する」ことに
何の意味があるのかについては全く(ではないとしても、かなり)否定的である

しかし職業としては
適応を改善するとか回復するとか言っている

それ以上のことはできないし
それが出来ればずいぶんと成功なので、そうしている

とりあえず仕事があって家庭があれば何も言うことはない
儲けなくていいし、たいして幸せでなくてもいい

ーー
後輩と話していて
男女の適応力の違いについて意見を聞いた

男であるほど、年齢が上であるほど、社会・経済階層が上であるほど、
自分を変えられない
むしろ逆の場合に自分を変えることができる

だから人間は年下女性の階急上昇的・玉の輿的・嫁入り結婚が適している

年をとってから自分を変えるのはいかにも苦痛である

プライドがあればなおさら苦痛である

向上心がないわけではないのだが
自分の領域内での向上があるだけである

そこから一歩を踏み出さないのは
安全路線でもあるし
臆病でもあるだろう

頑固一徹で問題はないがそれ以上ではない
しかし年をとってからのチャレンジは奇異に映るし
うまくいかなければ批判も厳しい

その理想を共有できる人間に恵まれれば幸いである

それ以上の高度な適応力を持っていたとしても
周囲の理解がなければ
長続きしない人とか言われておしまいだ

結果として臆病になる

ーー
自分をどんどん変えていく猿が人間になったのだから
これからもどんどん変えてどんどん失敗もするだろう

しかしまあ、それだけのことで
そのあたりで価値判断をする必要もないと思う

遺伝子レベルで多様性を保持することが集団としては有利なので
そのような遺伝子が残るだけだ

自分がその中のどのあたりの個体であるかは
あまり気にしなくていいだろうと思う

プロ野球の選手が優秀なのは
野球というルールがあるからだ
特殊なルールに依存している
どんなルールでも一流選手になれると決まっているわけではない

内野ゴロを安打にできないからと言ってなにもくやしがる必要もない
現在の制度では給料が安いだけである

松井よりもイチローが大リーグに向いていたことは確かだと思うが
それだけのことだ

飛ぶボール、飛ばないボール、フェンスまでの距離、フェンスの高さ、ストライクとボールの判定など
微調整できる部分は多い
ピッチャーとホームベースまでの距離は一定としても、マウンドの高さなどはまだまだ任意らしい

最近の野球選手はお相撲さんのように太くなり、テレビから消えつつある

この現実への不適応を嘆き
自分を全面的に変えてしまいたいと語り
実際にはその主張を全く変えない人間がいるものだが
変わりたくないと抵抗しているだけだし
別に変わらなくても誰も困らないのである

環境が一定ならば頑固でもいいのである
最近の人類は自分で創り出した環境に適応できないと慌てている

たぶん、人類の99%が適応できなくても、残りの1%が適応すればいいのだし
そんなにがっかりする必要はない

人間が何かをしでかして環境が大きく変わってしまったとしても
その特殊な環境に適応する部分はあるのだろうと思う

放射能や温暖化や、逆に氷河期に向かうこととか、そんな大きなことでなくても、
携帯を一日も忘れられない暮らしなどわれわれ高齢者から見れば心配にはなるが
何とかやって行くだろう

ーーー
男性のほうが変わりにくいとしても
そのような男性を育てたのは女性なのであるから
責任の一部はやはり女性にもあるのだと思う

母親の代理プライドのように生きている男性もいるものである
自分を変えたことの怨念が息子にこもる

その状況に『嫁』として存在することは多面的に困難だと思う

ーー
だからちっょとだけ一息ついて急がないでいきましょうよ

なんでも完全に相対化すればいいというものでもないが
たまには銀河系の外側くらいから自分を見つめてみましょうよ

宇宙の歴史はたとえば140億年とかいうんですが
その歴史の外側ってどうなんだろうかとか思うと
まあ、急がなくてもいいなぁと思う

宇宙全体が「膨張」しているとして
膨張というのは何かいかにも端っこがありそうで
それならば、うっかり「外側」に腕を差し出したらどうなるのかなんて思ってみる

外側という概念がまずいらしくて
そのように構造化された脳ではうまくないらしいです
140億光年規模で考えると

そう思ってみると我々の想定している「現実」というのは
いかにも人間じみた規模の現実なんです

なんというのか
いつまでたってもヒーローは徳川家康とか
物事にバリエーションがあっても3種類だけとか
そんなこぢんまりした感じ

私はなぜ家康みたいになれないのかなんて
問うほうがそもそも意味が分からない
(まあ、充分分かるけれどね)

誰かが家康みたいになっているんだから
それでいいじゃないの


うつ病の行動活性化療法をはじめよう セルフヘルプ・マニュアル


うつ病の行動活性化療法をはじめよう
   セルフヘルプ・マニュアル

  うつ病は多くの人にとって悪循環を引き起こす問題です。あなたは今回初
めてうつ病の経験をするのかもしれませんし、何年間かすでに経験してきた
のかもしれません。うつ病は、あなたを病気であるかのように感じさせま
す。うつ病の症状は、精神的にも肉体的にも動きを鈍くし、疲れやすくさせ、
罪悪感や自己非難を感じさせ、憂うつな気分にさせます。落ち込みをさらに感じ
るようになるにつれて、活動量も次第に低下し そして活動量が低下したこ
とを自分自身で責めるようになります。自分でもやる気がなく「なまけ者」
だと感じるかもしれません。さらに何かをするのが困難になると、ますます
落ち込んでしまうようになります。

  うつ病は「こころの風邪」と言われてきましたが、うつ病はあなたの個人
的な欠陥や精神疾患のせいで起こっているわけではないことを理解すること
が大切です。うつ病は、あなたの生活の中で何かを変化させる必要があると
いう合図であることが多いのです。たいていの人は、うつ病のきっかけとな
った出来事について気づいています。よく見られる出来事と
しては、最愛の人の死、夢が破れること、目標が達成できないこと、乗り越
えられない日々の葛藤、対人関係の問題などがあります。人はうつ病になっ
た時、気分がよくなるように生活状況を変化させるのではなく、活動する
ことをやめたり、引きこもったりする傾向があります。すると、だんだんと
うつ病は悪化し 状況的な問題のみでなく、うつ病自体が問題となっていき
ます。多くの人は、この時点でセラピ一に来るのです。


  問題に対処しましょう

  これまでにうつ病に対するさまざまな治療法が開発されてきています。ひとつ
つの効果的な治療法として、行動活性化療法と呼ばれるものがあります。

ラピストと一緒に、あなたが生産的な活動や気分の改善をもたらすような活
動を行うことによって、うつ病の悪循環から抜け出すための作業に取り組む
ことになります。

ただ、どんなものであっても、単に活動をするというのは
難しいでしょう。そこで、セラピストは、あなたのうつ病に関係する可能性
のある、以下のことに気づくようにサポートします。それは、

①うつ病になったためにやらなくなっているが、もう一度やりたいと思っている生活上の
行動、

②あなたが世間やその他のあなたを取り巻く環境から引きこもるため
に用いた行動、

③もっと生産的に生活するためにあなたが変えたいと考えて
いる主な生活状況、

です。セラピストは、うつ病にうまく対処し、もっと満
足のいく生活を送るのに役立つだろうと2人で一緒に判断した具体的な目標
に向かって、あなたが活動できるように方向づけてくれるでしょう。あなた
が落ち込みを感じはじめてから続いている引きこもりや活動量の低下をまず
止めることなしに、落ち込みにつながる生活状況を変えることはできないか
もしれません。しかし あなたは方向づけられた活動を通してうつ病の悪循環
を壊すことができるでしょう。

  活動とは、俗に言う「ただやってみる」ということ以上のものです。人が
憂うつな気分になった時、生活が停滞しないように順調に暮らし続ける
ことは、不可能ではないとしても、難しいと感じます。だから、セラピストのよう
な人のコーチやガイドがあるのは役に立つのです。あなた自身やあなたの生
活に有意義な活動は、非常に重要です。例えば、ある人はきれいな生活環境
を好みますが、抑うつ気分のせいで皿洗いができないと感じているかもしれ
ません。もし彼がどのような気分にも左右されずに皿洗いをしたならば、憂
うつ気分や悲しみを感じるかもしれませんが、彼の家がきれいになったこと
でほんのわずかでも気分が改善するかもしれません。同様に、理不尽なこと
を言ってくる上司のもとで働いている女性は、引いてしまい、自分の立場を
主張することができないかもしれません。上司に自分のことを主張すること
は、そのこと自体によって利益を受ける活動です。行動活性化療法での活動
にはさまざまなものがあり、セラピストは、うつ病を軽減させたり、生活に
対するコントロール感を高めたりするような、よい行動を見つけるための手
助けをしてくれるでしょう。
  憂うつな気分にもかかわらず活動をすることの利点は明らかです。

 1.方向づけられた活動は気分を改善することができます。うつ病にもか
かわらず自分自身で活動的になることは、あなたの生活にコントロール感を
与えることができます。たとえはじめは楽しいことはないと思っていても、
あなたがいったん活動をすれば、いくつかの活動は楽しいとわかるでしょ
う。楽しくない活動でさえ、やりがいのあることをやり終えたような感覚を
得ることができます。

 2.方向づけられた活動によって、疲労の悪循環から抜け出すことができ
ます。うつ気分を感じている時は、だるさや疲労を感じるものです。この
ことは世の中から引きこもろうとする方法のひとつになります。逆説的に言う
と、べッドに横になって寝すぎることは、結果としてより疲労を感じさせる
ことが多いのです。とても疲れていると感じている時できえ、方向づげられ
た活動は、あなたをより活気づけたりリフレッシュさせたりするでしょう。
落ち込んでいる時と他の理由で疲労している時では、反対の効果が生じま
す。例えば、落ち込んでいて疲労感も抱いている時には、もし家事のような
活動をすれば、最後には達成感を得るようになり、他の活動をするエネルギ
ーもわいてくるでしょう。一方で、もし抑うつ気分はないけれども、長時
間働いていて休憩を必要としている時に家事などをしたら、あなたはもっと
疲れてしまうかもしれません。なぜなら、休憩が必要だと体が訴えているか
らです。あなだが落ち込んでいる時には、体が休憩することが必要だと訴え
たとしても、あなたは活動的になる必要があります。

 3.方向づけられた活動は、あなたをやる気にさせてくれます。うつ病を
伴う多くの人々は、「やる気さえ出てくれば問題ない」と信じていますが、う
つ病のさまざまな症状は、しばしばやる気を出すのを邪魔します。そのため
に、もしやる気になるのを待ったとしても無駄足を踏むことになってしまい
ます。皮肉なことに、やる気がなくても活動に従事することで、やる気が出
てくるのです。私たちばこれを「外側から内側を変える」と呼んでいます。
別の言い方をすれば、何かをする前に、何かをしたい気分になるのを待つの
ではなく、あなたがそれに自ら取り組んでいるからこそ、活動することにな
るのです。

 
  落ち込んでいる時に活動することは簡単なことではありません。あなたが
うまく時間をやりくりしたり、普段なら楽しめていた活動をしたりすること
は難しいかもしれまぜん。落ち込んでいる時は、活動するのがあまりに
難しすきて、最も基大的なことでさえ非常に難しく感じてしまいます。あな
たのセラビストはこのことを理解しており、活動的になるのを邪魔するもの
に気づくのを助けたり、それらの障害物を克服したりできるように、一緒に
取り組んでくれるでしょう。

 治療では、生産的な活動を妨げるような日常生活の問題を克服できるよう
にあなたを支援します。あなたは、豊かなタベストリ一のように、自分の生
活を観察したり、毎日の活動を見たりする方法についで学びます。あなた
は、ある気分が特定の活動とどのように関連しているかを学び、そして、気
持ちが楽になるような活動の増やし方を学ぶでしょう。生活の質の改善に向
けた活動は、楽しみをもたらすためか、もしくは単に生産的だと感じたりコ
ントロール感が得られたりするために、落ち込みを軽減させろでしょう。セ
ラピストは、活動計画の立て方、生産的な活動を抑制するトラップを理解す
る方法、そして、日常習慣に新しい活動を組み込む方法について、あなたに
教えます。そして、これらの新しい活動は、生活の質を改善するような新し
い習慣となるでしょう。セラビストは、このプロセスを支援するようなスケ
ジュール表や活動記録表の使用法を指導します。あなたは、そのセッション
で話し合った課題を次回のセッションまで続けるように求められます。あな
だとセラビストは、より活動的になるためのプロセスに役立つ課題を決めま
す。セラピストぱあなたのコーチになるでしょう。あなたは、うつ病に対処
するために活動的になることで、世の中に対してより効果的に関わることが
できるようになること、また、あなたの生活が再びうまく進みはじめたと感
じていることにも気づくかもしれまぜん。はじめのステップを実施し、セラ
ピーに来ることは、あなたにとって最初の方向づけられた活動でした。さら
なるステップは、あなたが想像しているよりも簡単かもしれません。


BPⅠとかBPⅡ

躁うつ病は気分障害といわれて
感情 emotion より基底にある mood の swing なのだとか言われるのであるが
怪しい
政治である

躁状態+うつ状態ならばBPⅠ
軽躁状態+うつ状態ならばBPⅡ
と定義すると、ずーーっと前から言われていて
最近その説に飛びつくようになっている
それも政治である

もちろん
躁状態と軽躁状態と正常が量子力学みたいに
飛び飛びにあるのではなくて
『連続』していて『スペクトラム』を形成しているとの説に発展するのだけれど
何をどうやって区切るのか
自分には分かると乱暴に宣言すれば
それはそれで成立するもののようで
エビデンスも付いてきてspinも見分けにくい

3年前のは躁状態で今回のは軽躁状態で
その間にDSMでいう大うつ状態があったという例などいくらでもあるので
経過診断に頼る限りは
ドイツ精神医学・クレペリンの昔の話の蒸し返しになるはずだ

ーー
抗うつ剤を使わないようにしようというのも昔からある話で新しい話ではない
使わないほうがいい人は昔からいた
どんな人か?というのは時代・環境との関係もあるので変化がある

ラピッド・サイクラーの話も昔からある話で最近始まったものでもない

どれも解決されていない問題なので蒸し返して
新しい衣装で登場させている
中身としては充分すぎるほどの古いもの

躁うつ混合状態も昔からある議論で
いろんな理屈が出ている

個人的には混合するのが当然なので
その点は理論的には超えられたと思っている

ーー
循環型と崩壊型の経過病型を分類(クレペリン)して放棄、
現在症を分類整理して構築(DSM)するが放棄しかけて
時間が経つとまた経過分類に回帰するかもしれないという具合に
メタ循環しているわけだ

メタ崩壊していないように願うばかりだ

ーー
自然科学として前進しているというよりは
論文屋が仕事のネタを展開しているだけだし
そこに薬屋の事情が入り込んでもいる

その部分を構造的に割り引いて正味の進展を考えるのがよいだろう


最近のお勉強

最近の院内での勉強会の材料が

このページにまとめられています
参考にしてください

パーティーで食べ過ぎるピープルプリーザー(people-pleaser)

自分よりも他人のニーズを優先し、他人がくつろいでいるかどうかに多大なエネルギーを費やすタイプの人は、パーティーなどの社交の機会に食べ過ぎる傾向があるとする研究が1日、米専門誌「Journal of Social and Clinical Psychology」に掲載された。

 研究チームによると、他人を喜ばせることが好きな人を指す「ピープルプリーザー(people-pleaser)」の特徴にあてはまる人は、社交の場で自分がたくさん食べることで、他の人をくつろがせようとする傾向があったという。

 ピープルプリーザーたちは、たとえ食べたくないときでも、すすめられた料理を食べなければならないというプレッシャーを過度に感じるという。また、自分の周囲の人の食事に合わせようとして、食べ過ぎてしまうことが多い。

 論文の主執筆者、ジュリー・エクスリン(Julie Exline)氏は声明で「彼らピープルプリーザーたちは波風を立てたり、社交場の調和をひっくり返したりしたくない」と記している。

 米ケース・ウエスタン・リザーブ大学(Case Western Reserve University)の研究チームは、大学生101人に性格診断を実施。その上で、仕掛け人が被験者にチョコレートをすすめる実験をしたところ、ピープルプリーザーの特徴に当てはまる人、つまり他人を傷つけることを心配し、批判に敏感な人の方が、そうでない人と比べてチョコレートを多く受け取った。

 さらにエクスリン氏によると、自分の適切な判断に従わずに、人間関係のプレッシャーに屈した場合には、後悔の念も高まるという。エクスリン氏は「他人を喜ばせるために食べ過ぎる人は、あとでその選択を後悔する傾向にあった。人間関係のプレッシャーに屈することは、あまり気分が良くないことなのだ」と述べた。

イトーヨーカドー「金のハヤシ」に一手間

スパゲッティ・ナポリタンを作ろうと思って冷蔵庫を開けたら
玉ねぎとイトーヨーカドーの「金のハヤシ」があった

中型玉ねぎを半分、ザクザクにして炒めて、
そこに「金のハヤシ」を入れた

結構美味しくて、幸せになった

ハインツの高い方のドミグラスソースを開けると
2食か3食になるので
金のハヤシの方が一食・食べきりで便利だと思った

ワインを入れるかどうか、少し考えたが、やめた

ーーー
明日はナポリタンを作ろうと思う
ハインツのトマトケチャップがいいと思うので使う

脳の中での情報の一元化と 経済法律でのお金への一元化

脳ではいろいろな刺激が
ドパミンとかセロトニンかとの伝達物質の流れに変換され
単純化される

私が『単純化されている』と語るとき
私は複雑さを感覚していると考えているのだが
もちろん私の脳でも
同様の単純化が起こっているのだから
単純な話ではない

一方、経済や法律を考えると
経済ではいろいろな価値がお金に変換されて流通する
カウンセリング50分はみかん何個に相当するのかとか
いちいち考えるのは煩わしいので
お金が一元化して考える
なぜ一元化できるのか難しい所がある
難しいがマーケットというシステムで一元化している

法律ではたとえば罰金がある
なぜ罪を犯して罰金刑になるのかよく分からないし
その金額にいたっては正当性が納得しにくい

損害賠償のお金にしてもなぜその金額になるのかわかりにくい
名誉を毀損されたからお金を払えというのも筋が違っているが
それしか方法がないでしょうというらしい

脳の中での情報の一元化と
経済法律でのお金への一元化との
平行関係を感じる

良くない時代 夜の淫らな鳥

 震災後、突然女性からメールがよく来るようになった――そんな男性からの声が聞こえるようになったが、動物行動学的見地から見ても、震災などの非常時において、女性が男性を受け入れやすくなっているという事象は確認できる。動物行動学研究家で『女は男の指を見る』(新潮新書)の著者である竹内久美子氏がいう。

「1965年、ニューヨークを中心とするアメリカ北東部では大停電が起こり、3000万人もの人々が暗闇の中で一夜を過ごしました。その270日後にベビーラッシュが起こったことが知られています。2005年にアメリカ南部を襲ったハリケーン“カトリーナ”の後にも、同様のことが起こりました。

 人間の女性は一定の周期で排卵をする“自然排卵”ですが、ほ乳類の中にはネコやラッコのようにメスが性交時にまれたりして痛みを感じることが引き金となって排卵を誘発する“交尾排卵”の動物が数多くいます。非常時を受けての出産ラッシュは、交尾排卵の名残からか、大きな不安や恐怖が刺激となって予定外の排卵が起きたからとしか考えられません」

 不安なときこそ、人間は本能的に子孫を残そうとするということなのか。
※週刊ポスト2011年4月22日号
ーーーー
という記事があって
「メスが性交時にまれたりして」という文章が実によい
単純なミスだと思うが

なんだと思います?

かまれる
ふまれる
さしこまれる
?まれる
*まれる

ーーーーー
という記事を少し前に書いたのだけれど
不安が薬味になるのだろう
そしてますます状況を悪くする
劣悪因子の進化論的な排除のメカニズムなのだろう

ーーーーー
男女のことでも証拠として生の声や画像を残す商売もある
捏造もするらしい
たしかにそんなことのできる時代になった
良くない時代である

現役の人たちはご苦労様なことである

ーーーーー
夫が不倫をしているという妻たちの話をいくつか聞いた
割り切れる面と割り切れない面があり
さまざまである

しかしその中で考えたのだけれど
妻が不倫の二人を追い詰めると
危機を深く感じて妊娠しやすくなり
それは妻にとってはいいことなのだろうか悪いことなのだろうかと思う












メインプログのお引越し

医院のお知らせ以外は

に書いております

偉そうなことを言えばダマされる人が出やすい

偉そうなことを言えばダマされる人が出やすい

有意な負の相関

うつ病者の社会適応状態の自己記入式評価尺度であるSocial Adaptation Self-evaluation Scale(SASS)の日本語版を作成し,日本人における信頼性,妥当性を検討した。Cronbachのα係数はうつ病患者で0.85,健常者で0.76,また再検査法(2週間の間隔)でも相関係数0.79と,十分な信頼性が確認された。因子分析では,対人関係,興味や好奇心,自己認識の3つの因子が抽出された。SASSはHamiltonうつ病評価尺度(Ham-D)およびBeck Depression Inventory(BDI)と有意な負の相関を示した。また,うつ病非寛解群はうつ病寛解群に比べ有意にSASS得点が低かった。以上の結果より,SASS日本語版はうつ病の社会適応状態の評価尺度として,十分な信頼性と妥当性を有することが示唆された。

\\\\\
有意な負の相関
ということは
どちらかはいらないということだな


DNAの巻き付きが緩む 親が受けたストレス、子に遺伝

親が受けたストレス、子に遺伝…理研グループ

2011年7月11日   提供:読売新聞

 

 

 

 外からのストレスで遺伝子の働きが変化する仕組みを、理化学研究所の石井俊輔主任研究員らのグループがあきらかにした。こうした遺伝子の「働き」の変化は、子に遺伝することもわかった。米科学論文誌「セル」に発表した。

 遺伝情報は、「塩基」とよばれる物質の並びとしてDNAに刻まれている。たとえばトウモロコシの実の色は、基本的にはこの塩基の並び方で決まる。気温や日照時間の異常といったストレスが加わると遺伝子の働きが変化し、ストレスが取り去られても、その影響が子に伝わることが知られている。だが、その変化の仕組みがわかっていなかった。

 DNAは、ヒストンというたんぱく質の塊に巻き付いている。石井さんらは、塩基の並びに変化がなくても、その巻き付き方の違いで、遺伝子が働いたり働かなかったりする仕組みに着目した。白い目のショウジョウバエの卵をお湯につけてストレスを与えると、「ATF2」というたんぱく質が活性化してDNAの巻き付きが緩むことを発見。緩んだ結果、赤い色素を作る遺伝子が働くようになり、生まれてくるハエは目が赤くなった。

 そして、この巻き付きの緩さは子に遺伝した。目が赤くなったショウジョウバエの子も目が少し赤くなったが、孫の世代では白い目に戻った。一方、親と子に続けてストレスを与えると、目の赤さは孫、ひ孫、やしゃごまで残った。

 石井さんは「ストレスが生活習慣病や精神疾患を引き起こすメカニズムをあきらかにして、病気の予防などにつなげたい」と話している。


性と妄想

脳の性行動回路と妄想が結合しているというのは
とても素人的な発想なのだが、ずっとそう思っているし
たぶん正しい部分があると思っている

もちろん、脳が壊れれば、現実とは違うことを思い込む、ということは分かる
それは脳が壊れているということだ

しかし一方で、性行動に関係して妄想は生じるもので
むしろ種の維持に不可欠のものではないかと思う点もある

ーーーー
シゾフレニー系の妄想でいえば
へべフレニーの妄想はやはり性ホルモンおよび性行動と関係しているだろう

パラノイアのタイプもやはり性行動と結合している部分があるのは明白だと思う

MDIの場合の妄想は当然性的関係を含む

ーーーー
性的行動の推進力は
不足でも過剰でも各種妄想と関係するのだと思う

その点ではフロイトとは別の意味で
性を論じることが有効だと思う
主に脳の性行動回路を論じること
その不足または過剰として行動を論じること

ーーーー
過食嘔吐が若年女性に多いことは
昔ならばHyが若年女性に多いことと対応しているような気がする

対策:健康なPを定期的に服用すること

ーーーー
健康で富裕な男性の旅行先としては北欧が良いと先輩に教えられた


最近夢がとても楽しい
幸せである

出来事が幸せというより
そのことについて解釈するのが実に楽しい

PCが重い

コンピュータが遅いのを重いと表現する
おもしろいものだと思う

動きが重い
と言うのも面白い

何か重いものを動かしているような、ゆっくりした様子というはずなのであるが
突然、動きが重くなっているのである

コンピュータの仕事が多いので動きが遅いはずのだと思うが
仕事が重いとなり
コンピュータが重いとなり
動きが重いとなり
拡張されている

土台コンピュータの仕事の一つ一つのステップに重さなんてない
コンピュータが重くなるわけでもない
動きは遅いのであって重いのではない

すべては人間が重い荷物を背負ったときのようだ
という比喩である
比喩というか思考の節約というか何でも流用するというか







霧の道

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論文抄読の時間


Carvalho JP, Hopko DR (2011). Behavioral theory of depression: Reinforcement as a mediating variable between avoidance and depression. Journal of Behavior Therapy and Experimental Psychiatry, 42, 154-162.
背景:うつ病の行動理論では,特定の環境変化や回避行動によって,環境からの報酬や強化の経験が妨げられ,うつ病症状の発症・維持につながると仮定している。
目的:本研究では,回避行動と抑うつ症状の間に,環境からの報酬が媒介するかどうかを検討した。
方法:158名の大学生を対象に,回避尺度(CBAS),報酬尺度(RPI;反応に随伴する正の強化への接近のような環境からの報酬を測定),実際の報酬の得られる活動を行った時間(日常活動),抑うつ症状(BDI-II),身体不安(BAI;不安と回避の関係を統制するため)を実施。
結果:①CBASとBDIの間に正の相関(0.68~0.75),②CBASとRPI(-0.60~-0.78),日常活動(-0.29~-0.33)に負の相関,BDIとRPI(-0.65~-0.79),日常活動(-0.32)に負の相関がみられ,BAIを統制した偏相関でも関係性は変わらなかった。ブートストラップ法を用いて媒介分析を行った(n=158; 5000 bootstrap sample)結果,CBASとBDIの間にRPIと日常活動が媒介することが分かった(不安を統制しても同じ)。(→回避行動が増える(負の強化随伴性)と正の強化随伴性が弱くなり,報酬が得られなくなり,うつ病発症,維持へ。これは,行動活性化療法の治験を支持する。しかし,変数間の相関が高すぎる印象があることと1時点での調査であるため,どの変数を媒介変数としても結果は得られるのでは?)


Kandris E, Moulds ML (2008). Can imaginal exposure reduce intrusive memories in depression? A case study. Cognitive Behavour Therapy, 37, 216-220.
 
PTSDの特徴であるネガティブなライフイベントに関する侵入的記憶は,うつ病とも関連がある。うつ病の重症度は,侵入の程度と侵入的記憶からの回避の程度と関連がある。そこで,本研究では,大うつ病エピソードを持つ55歳のバツイチ男性に対して,PTSDに対する有効な治療法であるイメージエクスポージャーを実施した。この男性は,4ヵ月前に破局した後から抑うつ気分を呈し,破局直前の交際相手との最後のやりとりや交際中の会話を反すうし,破局にうまく対処できなかったという事実を頻繁に反すうしていた。治療は,週1回90分であり,心理教育,イメージエクスポージャー,将来のネガティブなライフイベントに対する再発予防で構成された。イメージエクスポージャーは,50分間,侵入的出来事についてイメージし,それを本人が語るセッションを50分実施した。出来事は情動的,身体的な再体験を引き起こすため,当時の彼の反応を述べるよう奨励した。その結果,BDI得点は,治療前(27)→治療後(12)→6ヵ月後(8)に減少し,侵入思考(23→0→8),回避(25→0→18),反すう(55→46→44)も減少した。(→うつ病発症のきっかけが明確で,その出来事が頭から離れなずに反すうが止まらない人には,イメージエクスポージャーが有効?つまり,Small traumaのようなものがあるうつ病患者には有効?)
 
Huffziger SH, Kuehner C (2009). Rumination, distraction, and mindful self-focus in depressed patients. Behaviour Research and Therapy, 47, 224-230.

反すうは,うつ病の発症,維持の認知的リスク要因となる。本研究では,うつ病患者の悲しい気分に対する,反すう,気ぞらし(destraction),マインドフル自己注目の効果について検討した。本研究に参加したうつ病患者76名は,3年半のフォローアップ中に,この実験に参加した。参加者には,悲しい気分連想音楽(mood-suggestive music)とネガティブな過去の体験の想起を用いて悲しい気分を誘導させた。次に,参加者を3群(反すう,気ぞらし,マインドフル)に無作為に振り分け,それぞれの行動を生じさせる思考をかいた28枚のカードを渡し,8分間カードに集中させた。その結果,気ぞらし群,マインドフル群は反すう群よりもネガティブ気分が減少し,ポジティブ気分が増加した。気ぞらしとマインドフルの間に有意な違いは見られなかった。また,習慣的な気ぞらしが最もネガティブ気分を軽減し,ポジティブ気分を増加した。習慣的なマインドフル自己注目は否定的な気分を軽減した。(→①気ぞらしは,短期的な結果になりそうだが,習慣的にやっていてもうつ気分の改善によい?②うつ病の反すうを止めるには,マインドフルネスと気ぞらしはどちらでもよい?)

Rohan KJ et al. (2007). A rondomized controlled trial of cognitive-behavioral therapy, light therapy, and their combination for seasonal affective disorder. JCCP,75,489-500.

DSM-IVの「大うつ病性障害,季節型」の診断基準を満たした患者61名を無作為に,認知行動療法(CBT),高照度光療法(LT),併用療法(CBT+LT),統制群(MCDT)に振り分け,治療後,フォローアップ(夏期)の効果を比較した。CBTは週2回,1回90分のセッションを6週間実施した。プログラムは心理教育,行動活性化,認知の再構成法,再発予防で構成された。LTは10,000ルクスの光を朝6~9時の間と夜6~9時の間にそれぞれ45分間ずつ実施した。MCDTは6週間,尺度のモニタリングを行い,その後,LTを実施した。治療前後の効果を比較した結果,CBT,LT,CBT+LT群において,季節型の評価を行う構造化面接(SIGH-SAD),抑うつ症状尺度(HAM-DとBDI-II)の得点が有意な減少を示した。また,治療後のCBT,LT,CBT+LT群の各尺度得点は,MCDT群よりも有意に軽減していた。CBT+LT群の寛解率は73%でMCDT群(20%)よりも有意に大きかった。臨床的な改善率は,CBT+LT群87%,CBT群67%,LT群63%,MCDT群27%であったが,MCDT群と有意な差が見られたのはCBT+LT群のみであった。このことから,「大うつ病性障害,季節型」の治療には,認知行動療法と高照度光療法の併用が特に効果的だといえる。

Lawlor DA & Hopker SW (2001). The effectiveness of exercise as an intervention in the management of depression: Systematic review and meta-regression analysis of randomised controlled trials. BMJ,322,763-767.

うつ病に対するエクササイズの効果について検討した無作為化比較試験論文のシステマティックレビューとメタ分析を行った。比較は,①エクササイズ群vs.治療なし群,②エクササイズvs.認知療法であった。14の研究論文に参加したほとんどの対象者はコミュニティサンプルであり,診断はBDI得点で行われていた。標準平均効果サイズを算出した結果,エクササイズは治療しないよりも抑うつ症状の改善が有意に高かった(d=-1.1)。抑うつ症状尺度としてBDIを使用した10論文に限定した場合,治療効果は非常に高いことがわかった(d=-7.3)。介入期間で治療効果を検討すると,8週間未満(d=-1.8),8週間(d=--1.3),8週間以上(d=-0.6)もっとも治療効果が高かった。エクササイズと認知療法の間に有意な違いは認められなかった(d=-0.3)。一方で,臨床群を対象とした研究がほとんど含まれていないため,臨床現場では注意が必要である。

Kaneita Y et al. (2006). The relationship between depression and sleep disturbances: A Japanese nationwide general population survey. J Clin Psychiatry,67,196-203.

うつ病と睡眠の関連について,一般人口を対象とした全国調査はほとんど行われていない。そこで本研究では,全国的な質問紙調査を実施し,24,686名からの回答をもとにうつ病と睡眠時間,主観的な満足度との関連性について検討した。その結果,抑うつと睡眠時間はU字の関係にあり,睡眠期間が6時間未満および8時間以上の者は6~8時間の睡眠の者より抑うつ得点が高かった。一方,主観的な睡眠満足感が下がるにつれて抑うつ得点は高くなることが分かった。このように睡眠時間と睡眠満足度は,抑うつ症状との関係が異なることが示された。

Wu JC et al. (2008). Sleep deprivation PET correlations of Hamilton symptom improvement ratings with changes in relative glucose metabolism in patients with depression. Journal of Affective Disorders,107,181-186.

うつ病症状に対する抗うつ薬(SSRI)と一夜の全断眠(total sleep deprivation:TSD)の組合せ効果を明らかにするため,SSRIを服用している6名のうつ病患者(双極性障害2名,大うつ病性障害4名)を対象に,全断眠前後の抑うつ症状の変化と脳代謝の変化について検討した。その結果,全断眠後の抑うつ症状尺度(HRS-D;睡眠関連項目は削除)は23.33→15.17点まで減少した。全断眠後のHRS-D得点と正の相関を示したのは下前頭回と下前頭/眼窩前頭皮質であった。負の相関を示したのは,腹外側前頭皮質であった。このことから,SSRI投与に全断眠を行う治療は,大うつ病および双極性障害に有効である。

Blumenthal JA et al. (1999). Effects of exercise training on older patients with major depression. Arch Intern Med,159,2349-2356.

うつ病に対して,有酸素運動(aerobic exercise)は効果的であることが明らかにされてきている。そこで本研究では,高齢者の大うつ病性患者を,有酸素運動群41名,SSRI(サートラリン)群39名,有酸素運動+SSRI(併用群)44名に無作為に振り分け,16週間の治療を実施した。その結果,うつ病尺度であるHAM-DとBDI得点に有意な差は見られなかったが,すべての群は,治療後に統計的,臨床的な改善を示した(治療後に診断非該当率:有酸素運動群60.4%,SSRI群68.8%,併用群65.5%)。また,SSRI群は最も早く効果が出現した。併用群のうち,重症度が軽い者は高い者よりも効果の出現が早いことが分かった。このことから,うつ病に対する16週間の有酸素運動プログラムは,薬物療法と同等の効果が期待できる。

Dobson KS. et al. (2008). Randomized trial of behavioral activation, cognitive therapy, and antidepressant medication in the prevention of relapse and recurrence in major depression. J Consult Clin Psychol,76,468-477.

Dimidjian et al. (2006)で治療に反応した患者を対象に,1年後,2年後の再発率について検討した。1年後の再発率では,認知療法群(CT;39%)は薬物療法群(治療後Placebo薬に変更;59%)よりも有意に低く,行動活性化群(BA;50%)は薬物療法群よりも低い傾向にあった。CTとBAの間に違いは認められなかった。2年後の再発率でも,CT(24%)とBA(26%)の間に違いは認められなかった。

Hopko DR. et al. (2003). A Brief behavioral activation treatment for depression: A randomized pilot trial within an Inpatient psychiatric Hospital. Behavior Modification,27,458-469.

大うつ病性障害の診断基準を満たす入院患者25名を対象に,短期行動活性化の治療効果について検討した。対象者は,行動活性化(BATD; Behav Mod,25,255-286,2001)群10名と支持的療法(SP)群15名に無作為に振り分けられ,それぞれ週1回20分,合計3セッションの治療を実施した。その結果,BATDの方がSPよりも有意にBDI得点が減少した。また,群間効果サイズは大きく(d=.73),BATDの方が治療効果が高いといえる。

Coffman SJ. et al. (2007). Extreme nonresponse in cognitive therapy: Can behavioral activation succeed where cognitive therapy fails? J Consult Clin Psychol,75,531-541.

Dimidjian et al. (2006)の結果から,自記式尺度において,一部の患者は認知療法(CT)に極端に反応しないことが示された。そこで本研究では,行動活性化(BA)とCTを受けた対象者の結果を用いて,両介入の治療反応を比較した。その結果,BA受診者は非治療反応者(BDI>31)がいなかったが,CT受診者には22%存在した。また,HRSDを用いた場合,CTの非反応者は,反応者よりも感情,認知面の得点が悪く,BAに対する反応の悪い者は,自律神経症状得点が悪かった。治療者-患者関係は,CT,BAともに非反応者の方が悪く評価していた(治療者評価,患者評価ともに)。本研究の結果から,期間を設定した治療を行う場合,行動変化に注目させた介入の方が主観的評価がよくなる患者も存在する。

Gortner ET. et al. (1998). Cognitive-behavioral Treatment for depression: Ralapse Prevention. J Consult Clin Psychol,66,377-384.

本研究はJacobson et al. (1996)で治療を受けた者のうち,137名のうつ病患者に対し,2年間のフォローアップ(6,12,18,24ヶ月)を追跡した。再発率を検討した結果,群間(BA, AT, CT)に有意な差は認められなかったが,24ヶ月時点で,BAの再発率は35.7%であるのに対し,AT52.6%,CT46.4% であった。BDI,HRSDの得点に違いは認められなかった。このことから,再発予防の観点から,CTがより効果的であるとは考えにくいといえる。

Dimidjian S. et al. (2006). Randomized trial of behavioral activation, Cognitive therapy, and antidepressant medication in the acute treatment of adults with major depression. J Consult Clin Psychol,74,658-670.

本研究では,うつ病に対する行動活性化(BA)の治療効果を検討するために,認知療法(CT)と抗うつ薬(ADM)との比較を行った。241名のうつ病患者を対象に,16週間24セッションの治療を実施した結果,重症度が高い患者の場合,すべての治療法に有意な効果が認められたが,CTよりもBA,ADMの効果が有意に高かった。重症度が低い場合にもすべて介入で治療効果が認められ,群間に差は見られなかった。治療反応者の割合は,CTが48%,BAが76%,ADMが49%であった(指標BDI)。

Jacobson NS. et al. (1996). A component analysis of cognitive-behavioral treatment for depression. J Consult Clin Psychol,64,293-304.

うつ病に対する認知行動療法(Beck et al., 1979)の治療コンポーネントの効果を比較するため,150名の外来患者を,「行動活性化(BA)」群,「行動活性化+自動思考の修正(AT)」群,「認知行動療法(中核スキーマにも焦点を当てる;CT)」群に無作為に振り分けた。治療に当たった4名のセラピストは,CTが最も優れているに違いないと考えていたにもかかわらず,急性治療後と6ヶ月フォローアップにおいて,他の2群と違いは認められなかった。非機能的帰属スタイルと否定的な思考において,ATとCTと同程度の改善を示した。また,BAは帰属スタイルの短期的,長期的な改善を予測し,CTは楽しい出来事の頻度を増やすことがわかった。

Watkins Ed. et al. (2007). Rumination-focused cognitive behaviour therapy for residual depression: A case series. Bhav Res Ther,45,2144-2154.

うつ病の急性治療後の残遺症状の持続は,慢性うつ病と再発のリスクファクターとなる。また,反すうはうつ病の発症と維持における重要なファクターである。本研究は14名の薬物難治性の残遺型うつ病患者に対して,反すうに焦点を当てた認知行動療法を実施することを目的とした。治療は個人形式であり,週1回60分セッションを合計12回行った。治療では,(1)機能分析を用いて役に立たない考え方から役に立つ考え方にシフトする,(2)経験的/イメージ練習と行動実験を行った。その結果,抑うつ症状,反すう,合併症(不安障害など)の改善が見られ,71%が治療に反応し(HAM-Dが50%減少),50%が完全寛解に至った

Liu Z et al. (2010). One-year follow-up study of post-traumatic stress disorder among adolescents following the Wen-Chuan earthquake in China. BioScience Trends, 4, 96-102.
目的:四川省大地震で被災した中学生,高校生を対象に,被災後4,6,9,12ヶ月のPTSDの変化を調査した。
方法:1490名を対象に,PTSD Checklist-Civilian version (PCL-C; cutoff socre = 50)を実施した。
結果:各時期でのPTSDの発症率は,それぞれ11.2%, 8.8%, 6.8%, 5.7%であった。また,PTSDのリスクファクターとして,被災してからの時期の短さ,地域,学年,国籍,両親が負傷,家屋損壊が関係していた。(→時間とともにPTSD発症率が低下している。下記論文と同様に,自然治癒するのか,何らかの介入があったのか?)

Liu M et al. (2011). Mental health problems among children one-year after Sichuan earthquake in China: A follow-up study. PLoS ONE, 6, e14076.
背景と目的:2008年5月12日に起きた四川省大地震の影響を調べるため,被災6ヶ月後,1年後に四川省北川県のSichuanにある小学校を対象にPTSD,不安,うつに関する疫学調査を実施した。
方法:330名の小学生(3,4,5年生)を対象に,トラウマ症状チェックリスト(Trauma symptom checklist for children-alternate version: TSCCA)を実施。下位尺度として,不安,うつ,怒り,PTSD,乖離があり,どの下位尺度もT得点が65点以上の場合,臨床群と考えられる。
結果:6ヶ月後と1年後の有病率は不安(23.3%,22.7%),うつ(14.5%,16.1%),PTSD(11.2%,13.4%)であった。精査は認められなかった。6ヶ月時点での不安発症リスクに関連があるのは,高学年,負傷経験,死者の目撃であり,1年時点では,死者の目撃,極度の恐怖であった。同様に,6ヶ月時点でのうつ発症リスクは,高学年,負傷経験,死別,死者の目撃,極度の恐怖であり,1年時点では,負傷体験,死別,極度の恐怖であった。PTSDの発症リスクは,6ヶ月時点で高学年,死別,死者の目撃であり,1年時点では極度の恐怖であった。(→症状によって,発症リスクが異なること,1年後には影響が見られない変数があることに注目。1年後に見られなくなるのは,自然治癒によるものなのか?)

Fan F et al. (2011). Symptoms of posttraumatic stress disorder, depression, and anxiety among adolescents following the 2008 Wenchuan earthquake in China. Journal of Traumatic Stress, 24, 44-53.
背景:2008年5月12日に中国四川省南西部の川県(Wenchuan)をマグニチュード7.8の地震が襲い,死者69,227名,行方不明者18,222名,負傷者374,176名であった。
目的:本研究では,被災6ヶ月後に都江堰の中学,高校を対象にPTSD,不安障害,うつ病に関する疫学調査を実施した。
方法:2081名の児童を対象に,PSTD尺度(PTSD self-rating scale; cut-off score: 50),不安障害尺度(the Screen for Child Anxiety Related Emotional Disorders; cut-off socre; 25),うつ病尺度(DSRS; cut-off score: 15)を実施した。
結果:15.8%がPTSD,40.5%が不安障害,24.5%がうつ病であった。また,3つのすべてを持つ児童は8%存在し,2つの症状を併発している児童は40%であり,男児よりも女児に多く見られた。PTSDの発症リスクは,女児(OR=1.89),15歳以上(OR=1.84),家族が負傷(OR=2.39),家族が死亡(OR=2.38),悲惨な現状を目撃(OR=2.01)であった。うつ病の発症リスクは,女児(OR=1.61),15歳以上(OR=1.67),家族が負傷(OR=1.42),家族が死亡(OR=1.42)であった。不安障害の発症リスクは,女児(OR=2.23),15歳以上(OR=1.86),農村部に居住(OR=1.66),子どものみ都市部に居住(OR=0.45),家族が死亡(OR=1.48)であった。(→震災後の支援対策として,利用できる可能性あり。ただし,この研究では,震災前にすでに発症していた児童も含まれてしまう)

Swanson LM et al. (2009). A combined group treatment for nightmares and insomnia in combat veterans: A pilot study. Journal of Traumatic Stress,22,639-642.
 
不眠と悪夢はPTSDの特徴である。悪夢に対する治療のメタ分析では,ほとんどの治療は,有意な睡眠の改善をもたらさないことを指摘している。そこで,PTSDの診断基準を満たす退役軍人10名を対象に,10セッションの集団認知行動療法(不眠症に対する認知行動療法+エクスポージャー,リラクセーション,筆記療法?(rescripting therapy))を実施し,不眠症と悪夢の減少効果について検討した。その結果,睡眠効率(d=1.0),入眠潜時(d=0.9),総睡眠時間(d=0.5),PSQI(d=0.7),ISI(d=1.7)の不眠指標の改善が見られ,悪夢の頻度(d=0.5),悪夢(d=1.1)に対する不快感も軽減した。また,睡眠効率(85%以上)とISIのカットオフ得点を用いて,不眠症の臨床的な改善率を算出した結果,それぞれ,60%,80%であった。50%の者が悪夢の頻度が半減した。Post-traumatic Diagnostic Scaleに有意な変化は見られなかった。
(→イメージリハーサル療法と不眠のCBT(CBTi)を組み合わせた研究では,PTSD症状の改善も報告している。悪夢への治療に関しては,CBTiを実施に加えて,悪夢治療としてどの技法を使うかは検討した方がいいかも)
 
McEvoy PM & Perini SJ. (2009). Cognitive behavioral group therapy for social phobia with or without attention training: A controlled trial. Journal of Anxiety Disorders,23,519-528.

本研究の目的は,集団認知行動療法(CBGT)に注意コントロール訓練(ATT)を加えることで,社会恐怖の社会不安症状,抑うつ症状,注意コントロール,メタ認知的信念,予期過程,出来事後の処理過程の改善を促進するかどうか検討することであった。81名の社会恐怖患者は,CBGT+ATTとCBGT+RT(リラクセーション)に無作為に割り当てられた。その結果,両群ともにすべての尺度において症状が改善したが,両群間に有意な違いは見られなかった。また,注意コントロールは,いくつかのメタ認知的信念,社会不安症状,抑うつ,予期過程,出来事後の処理過程と負の相関が認められたことから,注意コントロールの増加が症状改善と関連していると考えられる。

Krakow B. et al.(2001). An open-label trial of evidence-based cognitive behavior therapy for nightmares and insomnia in crime victims with PTSD. Am J Psychiatry,158,2043-2047.

不眠症と悪夢はPTSDの二次的症状と考えられている。そこで本研究では,62名の犯罪被害者(身体的暴行,性的暴行;そのうち76%が児童・青年期の虐待)に対して,悪夢に対するイメージリハーサル,不眠症に対する行動療法を週1回計3セッション実施した。測定尺度は治療前および治療3ヶ月後に実施した。その結果,一週間に悪夢を見た回数(d=0.74),一週間に悪夢を見た日数(d=0.76),睡眠の質(PSQI;d=1.02),睡眠機能障害尺度(SII;d=1.23),PTSD症状(PSDS;d=0.71),不安(d=0.59),抑うつ(d=0.43)が有意な改善を示した。また,PTSD評価尺度において,臨床的な重症度レベルが1以上減少した者は53%,変化無しが36%,悪化が11%であった。改善群と無変化・悪化群の得点比較を行った結果,一週間に悪夢を見た回数以外のすべての変数において,治療3ヶ月後の改善群の得点が有意に減少していた。このことから,PTSD患者が呈する不眠と悪夢に対する介入によってPTSD症状,抑うつ,不安,睡眠の質が改善するといえる。

Krakow B. et al.(2001). Imagery Rehearsal Therapy for chronic nightmares in sexual assault survivors with posttraumatic stress disorder: A randomized controlled trial. JAMA,286,537-545.

慢性の悪夢に苦しむPTSD患者は多い。睡眠の問題は精神生理性不眠症と類似しており,「眠ることへの不安」を訴える。そこで本研究では,性的虐待を受けたPTSD患者88名に対して,慢性の悪夢に対するImagery Rehearsal Therapy(IRT)を実施し,統制群(Wait-list群)80名と比較した。IRTは週1回の3時間セッションを計2回と3週間後のフォローアップ1時間セッションの合計3回実施した。IRTの方法は,①支障をきたす夢について書き出した後,変えたいと思う夢について書き出す,②新しい夢“new dream”を10-15分間繰り返しイメージする,③反復イメージをしている間,悪夢と悪夢をどう変えたかについて簡単に書き出す,④これ以降,悪夢とどう変えたかについては一切書き出さず,心の中でイメージする,⑤毎日最低5-20分間,新しい夢を繰り返しイメージする(毎週,2つ以上の異なる新しい夢を試してはいけない)であった。また,維持効果を検討するために,3ヶ月後,6ヶ月後に追跡調査を実施した。その結果,一週間に悪夢を見た回数(d=0.85),一週間に悪夢を見た日数(d=1.24),睡眠の質(PSQI;d=0.67),PTSD症状(PSS;d=1.00,CAPS;d=1.53)が治療後に有意な改善を示し,その効果は維持されていた。治療群のうち,PTSD症状の臨床的重症度が1以上減少した者の割合は65%であった。統制群のうち,症状の変化なしもしくは悪化した者は69%であった。このことからIRTは短いセッションでPTSD患者の悪夢,睡眠の質,PTSD症状を改善することができる。

Germain A. et al.(2007). Effects of a brief behavioral treatment for PTSD-related sleep disturbances: A pilot study. Behaviour Research and Therapy,45,627-632.

睡眠障害はPTSDの中核症状であり,90%のPTSD患者が悪夢と不眠と訴えている。悪夢に対してはImagery Rehearsal Therapy(IRT),不眠症に対してはCBT-Iの有効性が示されているが6~8セッションを要する。そこで本研究では,暴力犯罪被害を受けたPTSD患者7名に対し,IRTとCBT-Iを用いた90分の1セッション治療を実施した。治療内容は,①ストレスを感じる出来事による睡眠と悪夢に関する心理教育,②イメージ修正とリハーサルの理論と実践(1,2個の新しい夢をイメージし,日中最低3回(1回5分間)リハーサルする。これを毎日繰り返す),③刺激統制法と睡眠制限法の理論と実践であった。その結果,睡眠の質の向上(PSQI;d=0.66),入眠潜時(SOL;d=0.74)と再入眠困難(WASO;d=0.66)の減少,思い出せる夢の数の減少(d=0.67)が認められた。また,日中(d=0.67)と夜間(d=0.60)のPTSD症状の減少,日中の侵入症状(d=0.89),日中の過覚醒症状(d=0.78)も改善が認められた(臨床家評価CAPS)。このことから,PTSD治療において,睡眠に焦点を当てた短期間介入は有効である。

Choy Y. et al.(2008). Features of the offensive subtype of Taijin-Kyofu-Sho in US and Korean patients with DSM-IV social anxiety disorder. Depression and Anxiety,25,230-240.

対人恐怖症は,社会不安障害(SAD)とオーバーラップすることが示されている。対人恐怖症は,恥ずかしい思いをすることに対する恐れと他者を攻撃してしまうことに対する恐れの2つのタイプが存在すると言われている。しかしながら,このタイプを考慮した検討は行われていない。そこで本研究では,米国のSAD患者181名と韓国のSAD患者64名を対象に,対人恐怖症状について検討した。その結果,75%のSAD患者が,5つの加害恐怖症状(体臭,じっと見る,表情のこわばり,腸内ガス,外見)のうち1つ以上を有していた。また,加害恐怖症状の重症度は,社会不安症状,抑うつ症状,機能障害の重症度と関連が見られた。このことから,対人恐怖症の加害恐怖は,これまで言われてきたような文化的なものではなく,SADに多く認められる症状であるといえる。

Guastella AJ et al. (2008). A randomaized controlled trial of D-cycloserine enhancement of exposure therapy for social anxiety disorder. Biolical Psychiatry,63,544-549.

これまでの研究から,D-cycloserineは,不安障害に対するエクスポージャーの効果を高めることが明らかにされている。そこで本研究では,SAD患者50名をD-cycloserine(50mg)群27名,プラセボ群23名に無作為に振り分け,投与後のエクスポージャーの効果について比較した。その結果,D-cycloserine群は,治療後,フォローアップに社会不安症状尺度(LSAS,BFNE)の得点,および生活機能の障害度が有意に軽減し,プラセボ群よりも有意に軽減した。各尺度の効果サイズは中程度であった。このことから,エクスポージャー実施1時間前のD-cycloserineの服用は,SAD症状の改善を促進すると考えられる。

Johnstone KA & Page AC. (2004). Attention to phobic stimuli during exposure: The effect of distraction on anxiety reduction, self-efficacy and perceived control. Behav Res Ther,42,249-275.

エクスポージャー中に恐怖対象に注意を向ける場合(注目群)と,恐怖対象とは関係のないものに気ぞらし(実験者と会話をする)を行う場合(気ぞらし群)の治療効果を検討するため,27名のクモ恐怖患者に対して,10分間のin vivoエクスポージャーを3回,および,4週間後に同様のエクスポージャーを1回実施した。その結果,身体症状(心拍数,発汗,血圧)に違いは見られなかったが,気ぞらし群は主観的な恐怖は治療後,4週間後において,および注目群よりも有意に減少した。また,気ぞらし群は,エフィカシー,コントロール感,行動回避テスト(BAT)でのパフォーマンスが向上した。

Wild J. et al. (2008). Rescripting early memories linked to negative images in social phobia: A pilot study. Behav Ther,39,47-56.

ネガティブな自己イメージは社会恐怖の維持要因となり,ネガティブイメージは,早期の不快な社会的体験の記憶と関連している(Hackmann et al., 2000)。そこで本研究では,そのような記憶の書き換え効果について検討した。社会恐怖患者11名に対して,週1回合計2セッション実施した。最初はコントロールセッションであり,イメージと記憶について話し合ったが,修正技法は使わなかった。第2セッションは実験セッションであり,認知の再構成を実施した。その結果,コントロールセッションでは変化が認められなかったが,実験セッションでは,否定的な信念,イメージと記憶に関する不快感と鮮明度,FNE,恐怖場面に対する不安(LSAS)に有意な改善が認められた。このことから,ネガティブな自己イメージと関連した不快な記憶の書き換えは社会恐怖の治療として有用である。

Oliver NS, & Page AC. (2008). Effects of internal and external distraction and focus during exposure to blood-injury-injection stimuli. J Anx Diord, 22, 283-291.

50名の血液-損傷-注射恐怖症患者に対して,週1回3セッションのエクスポージャーを実施した。エクスポージャーの実施に加え,「身体感覚焦点づけ」,「思考・感情焦点づけ」,「内部感覚への認知的ディストラクション」,「外部への認知的ディストラクション」を行う4群と「エクスポージャーのみ」の計5群に対象者を無作為に振り分けた。ディストラクション群は最も恐怖が減少し,特に「外部への認知的ディストラクション」は最も減少した。治療後の行動回避課題ではより多くの課題を達成できるようになり,「外部へのディストラクション」はフォローアップ時でも接近行動が増加した。フォローアップにおいて,ディストラクション群は焦点づけ群よりもコントロール感が増加した。

Kristensen AS. et al. (2008). Social phobia with sudden onset--post-panic social phobia? J Anxiety Diord,22,684-692.

社会恐怖(SP)とパニック障害(PD)はオーバーラップすることがある。この可能性として,社会状況でのパニック発作によって,SPを発症した患者がいるかもしれない。つまり,パニック発作によって突然SPを発症する者がいる可能性がある。このことから突然発症SPはSPとPDの合併症と発症年齢,外向性,不安症状の有病率が似ており,突然発症ではないSPとは異なるかどうかを検討した。182名SP,PD患者を対象とした疫学調査の結果,仮説通り発症年齢と外向性において,突然発症SPと非突然発症SPは異なっており,発症年齢は突然発症の方が遅く,外向性は非突然発症SPに負の影響を及ぼしていた。また,突然発症SPとPDとSPの合併症との間に有意な違いは認めらなかった。大うつ病との合併率は非突然発症SP(78.3%)の方が,突然発症SP(28.6%)よりも高かった。このことから,パニック発作後社会恐怖の存在が考えられる。

Masuda, M et al. (2009). A parametric study of cognitive defusion and belivability and discomfort of negative self-relevant thoughts.

Masuda et al.(2004)の精緻化論文。Word Repetition Technique(WRT)に関して,実験1(理論的説明,WRT3秒,WRT20秒),実験2(WRT1秒,WRT10秒,WRT30秒)を大学生を対象に実施した。実験1の結果,思考に対する不快感に関しては,理論的説明よりも,3秒,20秒の方が減少率が大きかった。思考の確信度は理論的説明,3秒,20秒の順に減少率が大きかった。実験2の結果,付加院に関しては,1秒よりも10秒,30秒の方が減少率が大きく,確信度は,1秒,10秒,30秒の順に減少率が大きかった。最後に実験1,2の結果がおおむね同じだったため,両結果を組み合わせ,①理論的説明+1秒群,②3-10秒群,③20-30秒群に分類したところ,不快感に関しては,理論的説明+1秒群よりも,3-10秒群,20-30秒の方が減少率が大きく,確信度に関しては,理論的説明+1秒,3-10秒,20-30秒の順に減少率が大きかった。このことから,思考に対する不快感と確信度を軽減するためには,20-30秒のWRTが有効であるといえる。

Agee JD et al. (2009). Comparing brief stress management courses in a community sample: mindfulness skills and progressive muscle relaxation. Explore,5,104-109.

本研究の目的は,マインドフルネス瞑想(MM)と漸進的筋弛緩法(PMR)の効果を比較検討することであった。43名の一般参加者をMM(n=19)とPMR(n=24)に無作為に割り振り,5週間のプログラムを実施した。その結果,MM群はPMR群よりもホームワーク実施頻度が有意に多かったが,マインドフルネス,心理的ディストレスの尺度得点は両群ともに有意に軽減し,群間に差は認められなかった。緊張感に関しては,PMR群の方が有意に軽減し,スキルの獲得感に関してもPMR群の方が高かった。このことから,短期間のマインドフルネス瞑想は,漸進的筋弛緩法より優れているとはいえないが,ストレスマネジメントしては効果があるかもしれない。

Pace-Schott EF et al. (2009). Sleep promotes generalization of extinction of conditioned fear. Sleep,32,19-26.

動物モデルでは,睡眠不足が条件づけられた恐怖の想起や消去記憶に影響を及ぼすことが指摘されている。本研究では,健常成人59名を対象に,睡眠が条件づけられた恐怖の想起や消去学習の般化に及ぼす影響について検討した。条件づけ方法として「カラーランプ(青,赤,黄色)と異なる2枚の写真の組合せ」に電気ショックを対提示した。その後,一方の条件づけのみを消去(CS+E)し,もう一方は消去手続きを行わなかった(CS+U)。次に,対象者を覚醒群と睡眠群にわけ,覚醒群は起きたまま,睡眠群は睡眠をとり,12時間後に条件づけられた恐怖の想起の度合いを皮膚コンダクタンスレベル(SCL)で測定した。その結果,睡眠によって消去記憶の保持が高まるという結果は得られなかったが,覚醒群は睡眠群よりもCS+Uに対して皮膚コンダクタンス反応(SCR)が有意に大きかった。このことから,睡眠は恐怖の消去学習の般化に影響を及ぼしていると考えられる。不安障害には睡眠障害がよく見られるため,エクスポージャーによる恐怖消去の般化を促進するためには,睡眠障害を改善するといいかもしれない。

Masuda, A. et al. (2004). Cognitive defusion and self-relevant negative thoughts: Examining the impact of a ninety year old technique. Behaviour Research and Therapy,42,477-485.

脱フュージョン(defusion)は,アクセプタンス&コミットメントセラピー(ACT)の一技法であり,1916年にTichenerによって提案された方法である。しかしながら,脱フュージョン技法の役割についてはまだ明らかにされていない。本研究では,8名のシングルケース研究であり,事故に関連した否定的な思考に対する不快感と確信度の変化について検討した。その結果,脱フュージョン(自分と関連した単語を反復して言わせる)は気ぞらし(日本に関する論文を読む)や思考コントロール(ポジティブな独り言,呼吸法など)よりも不快感と確信度を減少させることがわかった。また,理論的説明だけでは脱フュージョンは効果がなく,むしろ思考コントロールの方が効果的であった。

Steinglass J. et al.(2007) The application of exposure therapy and D-cycloserine to the treatmen of anorexia nervosa: A preliminary trial. Journal of Psychiatric Practice,13,238-245.

神経性無食欲症(AN)に対する治療は難しく,十分な効果が得られる治療法は確立されていない。AN患者の多くは体重増加への極端な恐怖や食事恐怖を伴っている。そこで本研究では,11名のAN患者をD-cycloserine投与群とpill-placebo投与群に無作為に振り分け,エクスポージャーの効果を検討した。対象者は介入前後のテスト食事と4回のエクスポージャーセッションの合計6回の食事をした。その結果,総カロリー摂取量は治療後において有意に増加した(170kcal→445kcal)。また,ベースライン期にBMIが低い患者は介入前後の摂取量の変化量が小さい傾向にあること,食事(イチゴヨーグルトシェイク)の好きさ(liking)は治療前の方が治療後よりも高い傾向にあることが分かった(食事のおいしさで摂取量の増加は説明できない)。群間比較を行った結果,D-cycloserine群は不安とコントロール不能感(loss of control)がplacebo群よりも治療後に有意な減少を示していた。D-cycloseline群の治療後のBDIの効果サイズは大きかった(d=-1.33, p=0.06)。今回のエクスポージャー介入成果を,先行研究で行った通常治療の結果と比較した結果,平均26.80ポンド(12.16kg)の体重増加が見られたにもかかわらず,摂取量に有意な違いは認められなかった(エクスポージャー群の方が増加が大きい)。このことから,D-cycloserineの効果は十分ではないものの,摂食に焦点を当てたエクスポージャーは摂取量の増加に役立つ可能性がある。




ICD-10 うつ病エピソード (Depressive Episode)  診断基準

診断基準(ICD-10)

うつ病エピソード (Depressive Episode)

以下に記述される3種類すべての典型的な抑うつのエピソード(軽症、中等症、および重症)では、患者は通常、抑うつ気分、興味と喜びの喪失、および活力の減退による易疲労感の増大や活動性の減少に悩まされる。わずかに頑張ったあとでも、ひどく疲労を感じることがふつうである。他の一般的な症状には以下のものがある。

  1. 集中力と注意力の減退。
  2. 自己評価と自信の低下。
  3. 罪責感と無価値感(軽症エピソードであってもみられる)。
  4. 将来に対する希望のない悲観的な見方。
  5. 自傷あるいは自殺の観念や行為。
  6. 睡眠障害。
  7. 食欲不振。

気分の落ち込みは日による変化が少なく、しばしば環境に対しても無反応であるが、しかし、日がたつにつれて特有な日内変動を示すことがある。躁病エピソードと同じように、臨床像には明らかに個人差があり、とくに思春期には非定型的な症状を示すことがふつうである。症例によっては、時に不安、苦悩および精神運動性の激越が抑うつ症状よりも優勢であったり、易刺激性、過度の飲酒、演技的行動、そして以前から存在していた恐怖症や強迫症状の増悪、あるいは心気症的とらわれなどの症状が加わることによって、気分の変化が隠されたりすることがある。うつ病エピソードは、重症度の如何に関係なく、ふつう少なくとも2週間の持続が診断に必要とされるが、もし症状がきわめて重症で急激な発症であれば、より短い期間であってもかまわない。

上記症状のいくつかが際立っていたり、特別に臨床的な意義があると広く認められている特長的な症状を現すようになることがある。このような「身体性」症状の最も典型的な例は、次のものである。ふつうは楽しいと感じる活動に喜びや興味を失うこと。ふつうは楽しむことができる状況や出来事に対して情動的な反応性を欠くこと。朝の目覚めがふだんより2時間以上早いこと。午前中に抑うつが強いこと。明らかな精神運動静止あるいは焦燥が客観的に認められること(他人から気づかれたり報告されたりすること)。明らかな食欲の減退。体重減少(過去1ヶ月間で5%以上と定義されることが多い)。明らかな性欲の減退。通常、この身体性症候群は、これらの症状のうちおよそ4項目が明らかに認められた場合、存在するとみなされる。

軽症うつ病エピソード (Mild depressive episode)

抑うつ気分、興味と喜びの喪失、および易疲労性が通常うつ病にとって最も典型的な症状とみなされており、これらのうちの少なくとも2つ、さらにうつ病エピソードに記載された他の症状のうちの少なくとも2つが、診断を確定するために存在しなければならない。いかなる症状も著しい程度であってはならず、エピソード全体の最小の持続期間は約2週間である。

軽症うつ病エピソードの患者は、通常、症状に悩まされて日常の仕事や社会的活動を続けるのにいくぶん困難を感じるが、完全に機能できなくなるまでのことはない。

中等症うつ病エピソード (Moderate depressive episode)

上記の軽症うつ病エピソードに上げたもっとも典型的な3症状のうち少なくとも2つ、さらに他の症状のうち少なくとも3つ(4つが望ましい)が存在しなければならない。いくつかの症状は著しい程度にまでなる傾向を持つが、もし全体的で広汎な症状が存在するならば、このことは必要事項ではない。エピソード全体の最小の持続期間は約2週間である。

中等症うつ病エピソードの患者は、通常社会的、職業的あるいは家庭的な活動を続けていくのがかなり困難になるであろう。

精神病症状をともなわない重症うつ病エピソード
   (Severe depressive episode without psychotic symptoms)

重症うつ病エピソードでは、制止が顕著でなければ、患者は通常かなりの苦悩と激越を示す。自尊心の喪失や無価値観や罪責感をもちやすく、特に重症な症例では際立って自殺の危険が大きい。重症うつ病エピソードでは身体症状はほとんど常に存在すると推定される。

軽症および中等症うつ病エピソードについて述べた典型的な3症状のすべて、さらに少なくとも他の症状のうちの4つ、そのうちのいくつかが重症でなければならない。しかしながら、もし激越や精神運動制止などの重要な症状が顕著であれば、患者は多くの症状を詳細に述べることをすすんでしようとしないか、あるいはできないかもしれない。このような場合でも全体的に、重症エピソードとするのが妥当であろう。うつ病エピソードは通常、少なくとも約2週間持続しなければならないが、もし症状が極めて重く急激な発症であれば、2週間未満でもこの診断をつけてよい。

重症うつ病エピソードの期間中、患者はごく限られた範囲のものを除いて、社会的、職業的あるいは家庭的な活動を続けることがほとんどできない。

精神症状をともなう重症うつ病エピソード
   (Severe depressive episode with psychotic symptoms)

上記の診断基準(精神症状をともなわない重症うつ病エピソード)を満たす重症うつ病エピソードであり、妄想、幻覚あるいはうつ病性昏迷が存在する。妄想は通常、罪業、貧困、切迫した災難、患者が引き受けた責任に関するものである。幻聴や幻臭は通常、中傷や非難の声、腐った汚物や腐敗した肉の臭いのようなものである。重い精神運動制止は混迷にいたることがある。もし必要ならば、幻想や幻覚が気分に一致するかどうかを特定することができる。


深い悲しみで始まる躁状態

深い悲しみを急につきつけられて
一見深く悲しんでいるように見えるのだけれど
じつは躁状態が支配している

その時期には攻撃性が自分に向いているから
うつ状態にも見える

ーーー
その時期が終われば
マニックセルが疲弊して
私のDAM理論のままに事は進行してゆく

ただこの部分だけ少し
書き足せば良いようだ

depression in context

Strategies for Guided Action

Behavioral activation 行動活性化 である

コンテクスト 文脈 が大事なわけで

たとえば ある保安院審議官の説明の態度にしても
女性問題で事情が明るみになってから見返してみると
別の「文脈」で事柄が解釈されるようになる

ガイデド アクションのことは 方向付けられた行動 と翻訳されていて
外れてはいないが わかりやすくもないというところだ

ーーーーー
ABC
 Antecedent
 Behavior
 Consequence

TRAP
 Trigger
 Response
 Avoidance-Pattern

TRAC
 Trigger
 Response
 Alternative-Coping

ACTION
 Assess
 Choose
 Try out
 Integrate
 Observe
 Never give up

まず ABCを分析してTRAPとACTIONを示し TRAPからTRAC への道を提示する
ーーー
文脈 と翻訳されているが
コンテクスト は たとえば意味発生システムのようなもので
背景にある意味システム

たとえば平安時代と現代ではコンテクストが違うので
症状のセットが揃ったとしても解釈が違う

コンテクストの中でうつが発生していると考えるわけだ








胃潰瘍と胃炎の区別

ベタマック、ファモチジン、ムコスタ、セルベックスは胃潰瘍または慢性胃炎急性増悪時

ガスモチン、ナウゼリン、セレキノンは胃炎

ガスコンは病名付けにくい

レセプト上は区別が必要なのである

ルーチン

そう言えば私にとって日々のルーチンはない
すべて応用問題で個別の対応を強いられている

熱中症にインスタントラーメン

熱中症に味噌汁がいいとはときどき言われるのだけれど
同じ理由でインスタントラーメンがいいと思う

水分と電解質とカロリー

賞味期限切れのインスタントラーメンなど味わいがあっていい

賞味期限切れインスタントラーメン流通機構などあってもいい

祈り

いま、2011年ウィンブルドン女子決勝、シャラポワ対クビトバが行われている

人間がスポーツを観戦するとき
中立的に観戦する場合もあるが
どちらかを応援する場合もある

応援するときは祈りに帰着するのだが
はたして人間の歴史で
祈りが有効だったことなどあるのだろうか

有効であるならば
そのメカニズムを解明すべきだ

また、有効でないとすれば
なぜ有効でないものが歴史を通じて一貫して存在し続けているのか
解明すべきだ

祈りは外部現実に影響しないが
祈る人の心に大きく影響するという考えもある

祈りは芸術で多く描かれる

ーー
サウスポーについては
ずっと昔、ボルグ対マッケンローがあった

野球ではサウスポーの優位は明白である

ーー
シャラポワ破壊マシンのクビトバが優勝

Symptom and functional outcomes for a 5year early intervention program for psychoses

Symptom and functional outcomes for a 5year early intervention program for psychoses
Ross M.G. Norman, Rahul Manchanda, Ashok K. Malla, Deborah Windell, Raj Harricharan, Sandra Northcott

Abstract 
There continues to be controversy concerning the long term benefits of specialized early intervention programs (SEI) for psychotic disorders. Recent reports of five year outcomes for SEI programs indicate that benefits of early intervention programs at two year follow-up have disappeared at five years. The Prevention and Early Intervention Program for Psychoses (PEPP) in London, Ontario offers continuity of care for five years, with a lower intensity level of specialized intervention after the initial two years. In this paper we examine whether the outcomes observed at two years were maintained at five year follow-up. In addition, it was possible to compare PEPP outcomes with those of the OPUS project at two and five years.

Results indicate that improvement of symptoms between entry into PEPP and two year follow-up were maintained at five years. In addition, there was further improvement in global functioning between two and five year follow-up. Comparison of PEPP outcomes at two and five year follow-up to those of OPUS suggest that longer term continuity of care within SEI is associated with continuing benefits at least with respect to level of positive symptoms and functioning.

Keywords: Early intervention, Psychosis, Service delivery

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