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かきくらす心の闇にまどひにき 夢現とは世人定めよ 古今集 贈答歌 業平

君やこしわれや行きけん思ほえず 夢か現か寝てかさめてか 古今集 贈答歌 女

かきくらす心の闇にまどひにき 夢現とは世人定めよ 古今集 贈答歌 業平

古今和歌集では上のようであり
伊勢物語では下のようである

伊勢物語六十九段
むかし、をとこありけり。そのをとこ、伊勢の国に狩の使にいきけるに、かの伊勢の斎宮なりける人の親、「つねの使よりは、この人よくいたはれ」といひやりければ、親のことなりければ、いとねむごろにいたはりけり。あしたには狩にいだしたててやり、夕さりは帰りつつ、そこに来させけり。かくてねむごろにいたづきけり。二日といふ夜、をとこ、われて「あはむ」といふ。女もはたいとあはじとも思へらず。されど、人目しげければ、え逢はず。使ざねとある人なれば、とほくも宿さず。女の閨ちかくありければ、女、人をしづめて、子ひとつばかりに、をとこのもとに来たりけり。をとこはた寝られざりければ、外のかたを見出して臥せるに、月のおぼろなるに、ちひさき童をさきに立てて、人立てり。をとこ、いとうれしくて、わが寝る所に率て入りて、子ひとつより丑三つまであるに、まだ何事も語らはぬにかへりにけり。をとこ、いとかなしくて、寝ずなりにけり。つとめて、いぶかしけれど、わが人をやるべきにしあらねば、いと心もとなくて待ち居れば、明けはなれてしばしあるに、女のもとより、詞はなくて、
  君やこし我や行きけむおもほえず夢か現かねてかさめてか
をとこ、いといたう泣きてよめる。
  かきくらす心の闇にまどひにき夢うつつとはこよひ定めよ
とよみてやりて、狩に出でぬ。野にありけど、心は空にて、こよひだに人しづめて、いととく逢はむと思ふに、国の守、斎宮のかみかけたる、狩の使ありとききて、夜ひと夜酒飲みしければ、もはらあひごともえせで、明けば尾張の国へ立ちなむとすれば、男も人知れず血の涙をながせど、え逢はず。夜やうやう明けなむとするほどに、女がたよりいだす杯の皿に、歌をかきていだしたり。とりて見れば、
 かち人の渡れど濡れぬえにしあれば
とかきて、末はなし。その杯の皿に、続松の炭して、歌の末をかきつぐ。
 又あふ坂の関はこえなむ
とて、明くれば尾張の国へ越えにけり。
斎宮は水の尾の御時、文徳天皇の御むすめ、惟喬親王の妹。

昔、男がいた―皇孫として生を受けながら生涯不遇であった、美しいがゆえに放縦な男が―。

あるとき男は狩の使として伊勢国へ下った。狩の使とは、鳥獣を狩るため諸国に派遣された使者のことで、男はその正使であった。彼はここ伊勢国で、斎宮の世話を受けることとなった。
斎宮が親に「あのかたは特別だからしっかりお世話なさい」と言われていたこともあって、男は丁重なもてなしを受けた。朝には狩の支度をして送り出してもらい、夕方戻ってくれば斎宮とひとつ屋根の下の対屋に迎え入れられた。

こうして二日目の夜。男は惑乱して斎宮に訴えた、「お逢いしたい」と。
斎宮も逢いたくないと言えば嘘になるが、なにせ人目が多く思うに任せない。

この男は正使ゆえ、斎宮の寝所の近くに床をとっていた。神に仕える女の身の上を思えば逢うことなど絶望的ですらあるが、なおも寝られない。ふと外に目をやると、真夜中の朧な月明かりのなか、童女を先に立てて人が立っている。皆が寝静まるのを待ってやってきた斎宮であった。
男は自分の寝所に女を導いた。

一刻ほどして、女は帰っていった。まだ満足に語り合っていない。男は切なさに一睡もできなかった。

翌朝、まさか男の方から後朝の文を送るわけにもいかないので、向こうから何か言ってこないかと待ち焦がれていると、空も明るくなってからただ歌のみ届けられた。
 「君や来し我や行きけむ 思ほえず 夢かうつつか寝てか覚めてか
 (あなたが来たのか私が行ったのか、夢か現実か寝ていたのか覚めてたのか…何もわからないの)」
男は涙がこらえきれない。
 「かきくらす心の闇に惑ひにき 夢うつつとは今宵さだめよ
 かきくらす こころのやみに まどひにき ゆめうつつとは こよひさだめよ
 (心乱れて私もよくわからなかった…夢か現実かは今夜ご確認なさい」
そう詠み送って、男は狩りに出た。

野に出てからも男は上の空で、「今夜こそは早く皆をやすませて逢おう」などと思っている。そこへ、狩の使が来ていることを聞きつけた伊勢守が、饗応を申し出てきた。翌朝になれば伊勢を発たねばならないこともあって、今夜はいかにしても斎宮と逢いたかったが、宴となればそれもかなわない。
結局、男は斎宮に逢えぬ辛さを隠したまま、伊勢守らと酒を酌み交わすのだった。

夜もしらじら明けそめた頃、斎宮方から男のもとへ盃が差し出された。見れば、上の句のみの歌が書き添えてある。
 「かち人の渡れど濡れぬえにしあれば 
 かちびとの わたれどぬれぬ えにしあれば
 (渡っても濡れもしない浅い江のようなご縁でした)」
男は、続きを松明の燃え残りの炭で書き付けた。
 「また逢坂の関は越えなん
 またあふさかの せきはこえなん
 (いつか必ずやお逢いできましょう」

その朝、男は尾張国へ旅立っていった。

斎宮は、惟喬親王の妹宮である―。

時間が足りない

何をするにしても時間が足りない

金縛り

 試合開始時間が早くて、いやだなーと思ったことはないでしょうか。特に大会などでは午前8時頃に試合開始というケースもありますから、集合時間はそれより早く午前7時頃、すると起床時刻は平日よりも早くなり、起床後も体がなんとなく重く感じられるということがあります。
 このように、朝一番の試合は我々の起床時刻、ひいては睡眠時間を左右します。この章ではその「睡眠」について科学し、我々に有益な方策が得られないかを探ってみることにしましょう。

睡眠には二種類ある
 睡眠と一言でいっても、実はその深さによって様々な段階があり、決して一様ではありません。大きく分ければ、レム睡眠と、ノンレム睡眠の二種類があります。

 レム睡眠は、REM睡眠と書き、これは「Rapid Eye Movement」(急速眼球運動)から名づけられたものです。「寝ているはずなのに眼球がキョロキョロ動いている」というのが、レム睡眠の最大の特徴です。
 またレム睡眠時の脳波は起きているときとほとんど同じで、外見的には寝ているのに脳波的には起きているので、当初は「逆説睡眠(パラドックス・スリープ)」とも呼ばれていました。この現象が発見されたのは1950年代です。そして、レム睡眠ではない睡眠をノンレム睡眠と呼んで区別するようになりました。

寝ている間の睡眠深度の変化
 脳は電気的な信号を発しており、それを記録したものが脳波です。睡眠中は脳波が段階的に変化していくことがわかっており、現在では5段階に分類されています。一般的な睡眠深度の変化を示したものが右のグラフです。(実測図ではなく概念図です。)

sc_sleep.gif

 眠りについてから、30分から1時間ほどで一日の中で最も深い眠り(青い部分)に到達します。この時の眠りは「徐波睡眠」と呼ばれます。この徐波睡眠時に成長ホルモンの分泌が最も多いことがわかっています。
→ 【第9章「筋肉作りと成長ホルモン」】
 その後、段階的に眠りは浅くなっていき、一回目のレム睡眠期(赤い部分)となります。外見的には寝ていますが、脳波的には覚醒している状態です。そしてまた眠りが深く浅くを繰り返し、二回目のレム睡眠期となります。以降、この周期が繰り返されることになります。このレム睡眠の周期はおおよそ90分から120分間隔といわれています。

なぜレム睡眠が存在するのか
 睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があることはお分かりいただけたと思いますが、それではなぜ睡眠に二つの種類があるのでしょうか。
 そもそも睡眠とは、一日のうちで生存に関わりのない時間帯に、無駄に行動してエネルギーを消耗しないために、体を不動化することを目的としています。下等な動物、例えば、爬虫類や魚類、昆虫などは、食べ物を探し求めるときには活発に動き回りますが、それ以外では安全な場所でじっとして動きません。この時、彼らは意識を失っているわけではありませんが、外見的にはヒトの睡眠と同じ状態になっています。
 レム睡眠は、これら下等動物の不動化と非常によく似ています。つまりレム睡眠は原始的な睡眠の形なのです。ネズミの睡眠を例に考えると、このことがよく理解できます。
 ネズミは大脳皮質がほとんどできあがっていない状態で生まれてきますが、ネズミの新生仔はレム睡眠だけで、ノンレム睡眠がありません。出生後急速に大脳皮質が成熟していくとともにノンレム睡眠が増えていきます。つまり、簡単にまとめると、レム睡眠はエネルギーを使わないための原始的な睡眠、ノンレム睡眠はそれに加えて発達した大脳を休めるための進化した睡眠ということができます。

目が覚めるのはレム睡眠のとき
 悪い夢を見ていて、ハッとして目が覚めてしまう経験はないでしょうか。夢は多くの場合、大脳がほぼ起きている状態であるレム睡眠期に見ます。大脳が起きているので、そのまま簡単に目が覚めてしまうことになるのです。これを逆手にとり、レム睡眠のときに起きるようにすれば、自然で快適な目覚めが期待できそうです。
 これを実現するには、自分の睡眠パターンを正確に知っておかなければなりませんが、簡易型の脳波測定器でもなければ難しそうです。しかし、レム睡眠の周期が90分~120分であることを利用すれば、ある程度まで工夫ができそうです。つまり、自然に目が覚めてしまったときの時刻がわかれば、その前後90分~120分にもレム睡眠期があるということが推測できます。眠りについた時刻もわかっていれば、3回目もしくは4回目のレム睡眠期を狙って目覚まし時計をセットするという工夫ができそうです。もしくはレム睡眠期に起きることを狙って、眠りにつく時刻を調節するという高度な技もありえそうです。

 巷ではいろいろな機能を持った目覚まし時計が市販されていますが、深く眠っている大脳を無理やり叩き起こすのではなく、睡眠に関する知識を応用するだけで、目覚めがよくなる可能性が高くなります。それは同時に、不快な目覚め感を避ける工夫でもあります。早朝に試合が組まれ、早く起きなければならないときのために、普段から自分の睡眠パターンを把握しておくこと、つまり、自分はいつ寝るといつ頃にレム睡眠期になるかを把握しておくことは無駄ではありません。
 ただし、眠る日の疲労度によってある程度睡眠パターンはぶれることがあるようですので、ご留意ください。ちなみに“歯ぎしり”するのもレム睡眠期だと言われています。

レム睡眠に関するトリビア
 通常では、起きている状態からレム睡眠に至るまでに必ずノンレム睡眠期があります。つまり、覚醒→ノンレム→レムの順序で一回目のレム睡眠期に至ります。しかし、ナルコレプシーという睡眠障害をきたしている場合は、起きている状態からいきなりレム睡眠期に移行すること(覚醒→レム)が頻繁に起こります。これは一種の病的な状態ですから治療が必要となりますが、普通の人でも疲労困憊しているときや長時間眠らなかった後などに、いきなりレム睡眠期に移行してしてしまうことがあるようです。いわゆる“金縛り”はこの状態のときに経験するものです。体だけがぐっすりと眠ってしまい、脳がそれについていけず覚醒状態であるために「体の自由がきかない!金縛りだ!!」という事態になるのです。心霊現象とはまったく関係がありません。

求人しております

http://shinagawa-lunch.blog.so-net.ne.jp/2010-06-30


http://baito.e-aidem.com/index.php?action=job_detail&job_id=268750&hash=a0d9d0934ca8d1baa38337b73fe3fac0


http://www.nursejapan.jp/detail/985572?waad=2Q6T2nv4

まず、履歴書をご送付ください

送付先
病院名品川心療内科
住所東京都 港区 港南2-14-10-10階

勤務地

病院名新橋心療内科
住所東京都 港区 新橋1-18-12 新橋一丁目ビル5F
病院名品川心療内科
住所東京都 港区 港南2-14-10-10階
病院名六本木駅前オリーブ心療内科
住所東京都 港区 六本木6-1-26-7階 



熱中していないのに熱中症

高温多湿で熱中症が起こるけれど
日本語の「熱中する」は違う意味ですよね
いかんでしょう

Hyperthermia
高温障害
という言葉も出ている

高温障害は構音障害と紛らわしい

高熱症 とか 高熱障害 とか でいいような気がする

セルフチェック集

いろいろなセルフチェックを集めたコーナー


翻訳

たとえばマインドフルネスってどう翻訳したらいいんだろう

分かるひとだけ分かってくださいという世界なので
超安心

コミットする・能動的に関わる

現代で人々が生きるという局面で能動性をどれだけ発揮するのかについては
なんだかずいぶんと問題を含んでいるように思う

ただ座っていてお客様気分で、コミットしないで
外側から見物して
苦労もしないでエンジョイしようとか
そんな感じがする

笑わせてくれるんでしょ、プロなんだからとか
そんな感じで
悲しくなってしまう

テレビを見ていたり
マッサージを受けていたり
なるべく習熟を必要としないヨーガとか
自分のスキルを磨いてみようとかの気分はあまりないらしい

どうしてなんだろう

ただ信じればいいとか
ただお金を払えばいいとか
それで得られるものはやはりたかが知れていると思う

しかし人間には先天的な傾向というものもあり能力というものもある
意欲でさえかなり大きな差がある

意欲もない、能力もない、もともと向いていない、
そのような人が、何をしたらいいのだろう

しかし、最初はそんなものかもしれない
自分で価値が有ると思ったものに能動的に取り組んだ経験など乏しいのだろう
しかもそれで成功したという体験はもっと少ないだろう
コミットしないのが自分が傷つかない方法なのだ

テレビ画面のこちら側で笑っている
そのことを心地良いと感じるのだろう

しかし人間は変わるものだし成長するものだ
芽はある
芽を封じ込めているのが現代社会である







What Are the Benefits of Mindfulness A Practice Review of Psychotherapy-Related Research

「what_are_the_benefits_of_mindfulness_a_practice_review_of_psychotherapyrelated_research.zip」をダウンロード

 

Research suggests that mindfulness practices offer psychotherapists a way to positively affect aspects of
therapy that accountfor successfultreatment. This paper provides psychotherapists with a synthesis of
the empirically supported advantages of mindfulness. DCfinitions of 血@ndfulness and evidence-based
interpersonal, affective, and intrapersonal benefits of mindfulness are presented. Research on therapists
who meditate and client outcomes oftherapists who meditate are reviewed.Implications for practice,
research, and training are discussed.

 

Keywords: mindfulness, psychotherapy, meditation,literature review

 

Mindfulness has enjoyed a tremendous surge in popularity in the
past decade, both in the popular press and in the psychotherapy
literature (Didonna, 2009a; Shapiro & Carlson, 2009). Owing
largely to the success of mindfulness-based stress reduction
(MBSR) programs and the centralrole of mindfulness in dialecti-
cal behaviortherapy, as well as acceptance and commitment
therapy, mindfulness has moved from a largely obscure Buddhist
conceptto a mainstream psychotherapy construct. Advocates of
mindfulness would have us believe that virtually every client, and
theirtherapists, would benefitfrom being mindful.In fact, mind-
fulness has been proposed as a common factorin psychotherapy
(Martin,1997). Among its theorized benefits are self-control
(Bishop et al., 2004; Masicampo & Baumeister, 2007), objectivity
(Adele & Feldman, 2004; Brown, Ryan, & Creswell, 2007; Leary
& Tate, 2007; Shapiro, Carlson, Astin, & Freedman, 2006), affect
tolerance (Fulton, 2005), enhanced flexibility (Adele & Feldman,
2004), equanimity (Morgan & Morgan, 2005),improved concen-
tration and mental clarity (Young,1997), emotionalintelligence
(Walsh & Shapiro, 2006), and the ability to relate to others and
one's self with kindness, acceptance, and compassion (Fulton,
2005; Wallace, 2001).Is mindfulness as good as advertised, how-
ever? What does the research literature have to say aboutthe
benefits of mindfulness? The purpose ofthis paperis to provide
psychotherapists with information aboutthe empirically supported
advantages of mindfulness, contextualized by effect sizes ofthese
advantages.In addition, we review research on practices that have
been found to promote mindfulness, as well as the effects on
therapists and trainees exposed to mindfulness meditation. The
paper concludes with implications for practice,reseiirch, and train-
ing. We begin by exploring the meaning ofthe term "mindful-
ness."

Definitions: Ancient and Modern

The term "mindfulness" has been used to referto a psycholog-
ical state of awareness, a practice that promotes this awareness, a
mode of processing information, and a characterologicaltrait
(Brown et al., 2007; Germer, Siege], & Fulton, 2005; Kostanski &
Hassed, 2008; Siegel, 2007b). The word mindfulness originally
comes from the Pali word sati, which means having awareness,
attention, and remembering (Bodhi, 2000). Mindfulness can sim-
ply be defined as "moment-by-moment awareness" (Germer et al.,
2005. p. 6) or as "a state of psychologicalfreedom that occurs
when attention remains quiet and limber, without attachmentto
any particular point of view" (Martin,1997. p. 291.italics included
in originaltext). Forthe purposes ofthe present paper, and forthe
sake of consistency with most ofthe research thatis reviewed
subsequently, mindfulness is defined as a moment-to-moment
awareness of one's experience withoutjudgment.In this sense,
mindfulness is viewed as a state and not a trait, and while it might
be promoted by certain practices or activities (e.g., meditation),it
is not equivalentto or synonymous with them. When slightly
different definitions of mindfulness are used in the literature thatis
reviewed,these shall be noted.
Mindfulness has similarities to other psychotherapy-related con-
structs. For example, mindfulness is similarto mentalization
(Bateman & Fonagy, 2004. 2006; Fonagy & Bateman, 2008),the
developmental process of understanding one's own and others'
behaviorin terms ofindividuals'thoughts,feelings, and desires.
Both constructs emphasize the temporary, subjective, and fluid
nature of mental states and both are thoughtto enhance affect
regulation and cognitive flexibility (Wallin, 2007). Mindfulness
differs from mentalizing in that mindfulness is both being aware of
the "reflective self engaged in mentalizing, and the practice of
fully experiencing the rising and falling of mental states with
acceptance and without attachment and judgment. (以下続く)


Implications of Attachment Theory and Reasearch for the Assessment and Treatment of Eating Disorders

「implications_of_attachment_theory_and_reasearch_for_the_assessment_and_treatment_of_eating_disorders.zip」

 

In this paper, we review the research literature on attachment and eating disorders and suggest a
framework for assessing and treating attachmentfunctioning in patients with an eating disorder.
Treatment outcomes forindividuals with eating disorders tend to be moderate. Those with attachment-
associated insecurities are likely to be the leastto benefitfrom current symptom-focused therapies. We
describe the common attachment categories (secure, avoidant, anxious), and then describe domains of
attachmentfunctioning within each category: affectregulation,interpersonal style, coherence of mind,
and reflective functioning. We also note the impact of disorganized mental states related to loss or
trauma. Assessing these domains of attachmentfunctioning can guide focused interventions in the
psychotherapy of eating disorders. Case examples are presented to illustrate assessment, case formula-
tion, and group psychotherapy of eating disorders that are informed by attachmenttheory. Tailoring
treatments to improve attachmentfunctioning for patients with an eating disorder willlikely resultin
better outcomes forthose suffering from these particularly burdensome disorders.


STB139 サテンドール

http://stb139.co.jp/index_f.html


六本木で診察が終わったら
こんなあたりでくつろいで帰りましょう

Sweet Basil とオリーブなら相性はいいんでしょ?

人に接していると傷つけたつもりではなくても

人に接していると傷つけたつもりではなくても
いろいろに傷つけてしまっている場面もある
と語る



痛みの薬

採録

 前回の記事で、鎮痛剤を濫用していそうな患者を見分けるコツを学んだと書いた。日本の医療現場でおいて役に立つかどうかは分からないが、スラム街の診療所で共に働く仲間から学んだ、それらのコツを書いてみたい。

 まず当然ながら、今までクリニックに来たことのない初診の患者さんが痛みを訴えて来院したら、たとえ本人がそれまで使用していたと訴えても、麻薬系の薬は処方しない。「今のところはこれ(イブプロフェンなど)しか出せません。不満ならERに行くか、以前その薬を処方してくれた医師にかかってください」と告げる。

 次に、麻薬系の鎮痛薬の愛称を使いこなす人は、疑ってかかること。パーコセットのことを「パーク」、ハイドロコドンのことを「ハイドロ」などと呼んでいる患者さんは、大いに怪しむ。「パークは2錠飲めば、効くんですよ」と言っている場合は、道ばたで「パークを買わない? 20錠買えばまとめて安くするよ」などと言っている可能性が大だ。

 これら常識と思われるもの以外にも、「~の法則」と名付けられた中毒患者の見分け方がある。その中でもよく知られているのは、「金曜日の法則」だ。私たちが5時にきちんと診察を終えたがっているのを分かっていて、わざと金曜日の4時過ぎに来るというものである。特に、クリスマスの前日の午後は要注意だ!

 また、前回の記事で紹介したように、触診の際、場所に関係なく一律でひどく痛がる人がいる。友人のナースプラクティショナー(NP)は、背中や肩の痛みを訴える患者さんがいると、deep tendon reflexなど色々調べた後で、もっともらしく耳たぶを引っ張ると言っていた。エビデンスのある話ではないが、本当に疾患がある場合は、ほかの診察では痛くても、耳たぶテストではほとんど痛がらない。一方、派手に叫ぶ患者さんは、仮病の疑いが強いのだという。彼女曰く「耳たぶの法則」だが、中耳炎の患者さんと出会うことのないよう願うばかりだ。

 幸か不幸か、私も法則を名付ける機会に恵まれた。数年前、ある患者から「ロブスターの漁に出ていて、甲板で薬を取り出したら、船が揺れて海に全部落ちてしまった。ペインクリニック(緩和治療専門医)の予約は再来週なので、それまでの分だけでも処方してくれないか」という電話がかかってきたことがある。電話を受けたのは60代後半のベテラン看護師で、「怪しい。この近辺の沖合で船がそこまで揺れるはずはない」と妙にローカルな情報を提供してくれた。近所の薬局に手当たり次第電話をかけ、彼の処方歴を調べてみたところ、数カ所のペインクリニックやER、内科医から大量の麻薬系痛み止めを手に入れていたことが判明した。これは「ロブスターの法則」と名付けたい。
   
 しかし、例え嘘を付いている(であろう)患者さんを見つけ出しても、処方箋を出さないことで患者を「罰して」終結できるわけではない。発見は、辛い会話のほんの始まりでしかない。痛みがうまくコントロールできていないために大量に服用していただけなのか、それとも自分で粉末にして鼻から吸引していたのか。また、余った薬を売っていたのか、ティーンエージャーの息子に脅されて手渡しているのか。

 誰かが“ハイ”になるために使ったかもしれない薬を処方してしまったという空しさと、それを見抜けなかった無念さ、嘘をついていた患者への怒り。そして何よりも、そうまでして薬を手に入れていた患者への哀れみという、相反する感情で胸が一杯になる。

 じっくり患者の話を聞いて、精神科や中毒患者用のプログラムの受診を懸命に勧めても、行ってくれる人は少ない。米国ではペインクリニックを受診するためには、保険の種類によっては3カ月待ちという状況にある。だから私たちは本当に痛みに苦しむ人たちを助けたくて、処方箋を書かなければいけないことがある。 今後も鎮痛剤を求める中毒患者と相対する中で、痛い経験もいくつか通過しなければいけないのだろう。 処方薬による中毒が社会を蝕んでいる限り、私たちの葛藤は続くのだと覚悟している。

薬剤の適応拡大

SSRIがうつに効くだけではなく
社交不安にもパニックにも
強迫性障害にも効くということは
何を意味しているのだろうか

適応の拡大ともいえるが
疾患カテゴリーの消失とも言える

うつと
不安系・SADやパニックと
強迫性障害とは
同一平面上の事態ではない


DAM理論を紙芝居にする

呼んでくれる人があったので
DAM理論について話したが
照れてしまうのでささっと軽く流してしまった

山内東大名誉教授と私のDAM理論は
セロトニン説の時代には役立たずだったけれど
これから双極性障害と気分安定薬の時代になると
何だかぴったりの感じがして
個人的には嬉しい

アキスカルなんかの言っていることを神経生理解剖的に
表現したものと思っていただいていいと思う

ーーー
難しいのはまず神経細胞の特性としてDAMを考えるというあたりで
一般の人には神経細胞の反応特性などと言っても分かりにくいのだと分かった

それと、グラフが二種類出てくるのだけれど、混乱するようで、分かりにくい

ーーー
で、思い切って、擬人法的な紙芝居にすればいいと考えた
DAMはそれぞれ
諦め細胞
こつこつ細胞
熱中細胞
とでも言えばいいのだろう

それが脳にぎっしり詰まっていてそれぞれ複雑にからみ合って活動している

複雑なのは確かなのだけれど
概略で言えば
熱中細胞が多い人は人柄としても熱中する人だ
こつこつ細胞が多ければこつこつ性格になる
諦め細胞が多い人はねっちゅうもほどほど、こつこつもほどほどで、さっさと気持ちを切り替える人になる

人間が生きていてなにか面白いことを見つけて熱中すると
熱中細胞が反応してどんどん熱中するが
熱中はいつまでも続くものではない
必ずピークに達して、ダウンする
熱中細胞が停止すると、残されるのはこつこつ細胞と諦め細胞である。

しばらくはこつこつと頑張るのだがこつこつ細胞もやはり限界がある
そこでこつこつ細胞も活動停止する

こつこつ細胞がもともと少ない場合には
いきなり諦め細胞が主役になる

熱中細胞が活動している間は躁状態
こつこつ細胞が活動していると強迫性障害
諦め細胞だけが残されるとうつ状態

普段はこれらが適当な分量で活動したり停止したりしているので普通の状態で維持できる

ーーー
説明が面倒なのは、各神経細胞はいくつもの細胞から信号を受けて、
いくつもの細胞に信号を渡していることだ

それぞれに促進性と抑制性の結合があるので複雑になる

抑制性に接続している場合は、上位の細胞が諦め細胞であるほうが、結果としては促進性になるわけだ

ーーー
それも擬人的に説明すると
社長、部長、課長、係長、平と接続していて、それぞれがたとえば順に、抑制性、促進性、抑制性、促進性とする

社長が熱心だと部長を抑制する
社長が諦めがよくて何もしないと部長はイキイキと活動する
それが抑制性の結合ということになる

部長課長の間は促進性だとすれば
部長が熱心だと課長も熱心になる
部長が怠けると課長も怠けるという次第だ

ーーー
そんなこんなで難しい部分はあるのだけれど
全体的に言えば
熱中細胞はピークを迎えてダウンする
こつこつ細胞は長持ちするけれどそのうちにダウンする
諦め細胞は最初から諦めているので安定している

例として
熱中細胞が多い
こつこつ細胞が少ない
諦め細胞が多い
という人を考えると
一時的にすごく熱中してピークを迎えダウン
その時点で諦め細胞ばかりになるので
全体としてうつ病の様子になる

別の例として
熱中細胞が多くて
こつこつ細胞も多くて
諦め細胞も多い人を考えると
まず何かに熱中していると
熱中細胞がピーク、そしてダウン
それでもこつこつ細胞がコツコツと頑張り
いつかダウン
そしてこつこつ細胞が残る
この様子は躁状態、強迫性障害、うつ状態の系列と捉えることができる

ーーーー
いずれも
過活動の期間があり → うつ状態になる
というパターンである

いきなりうつ状態で始まる病気はこのモデルでは説明できない

うつ状態の前に必ず過活動の躁状態がある場合
このモデルはぴったりである

ーーー
皆さんそれぞれで
循環気質とか執着気質とかメランコリー親和型とかディスチミア型とか
気質分類をしてみて、その人がどのようにして躁状態になり、うつ状態になるのか考えてもらうといいと思う

ーーー
まだ難しいかな

もうここから先は漫画にするしかない

ーーー
お分かりのようにセロトニンはどこにも出てこない
ただ間をつないでいるというだけの物質である

セロトニンやノルアドレナリンが多いとか少ないとか言っても
抑制性の結合をしているのか
促進性の結合をしているのかで
話が逆になるほど違う

ーーー
気分安定薬は
細胞がピークを迎えてダウンするのを防ぐわけで
私の理論にはまことにマッチしていると考える

ーーー
でしょ?










マタイ受難曲

マタイ受難曲の話

その男性は妻を突然亡くして
抑うつ的になり
マタイ受難曲を繰り返し聴き続けた

そう思って聞いてみると
やはり抑うつ的なのかもしれない
昔から有名なカール・リヒターなどは特にそうかもしれない

その男性はその後、完全回復することなく
脳血管障害を起こして亡くなってしまった

このような場合、生活史上のエピソードがきっかけになり
うつ状態が始まり、それが遷延したものと考えても悪くないように思う

この場合は、このエピソードの瞬間から脳細胞の疲労が始まったのであって
疲労の結果のうつではないところが解釈の難しいところだ

失恋したという場合は
失恋の前に恋愛状態があって
躁状態に似た時期もあったのだろうと解釈できないこともない

しかしこの男性のように突然配偶者を亡くすとか
突然失業する
突然地震と津波に襲われる
そのような状況はやはりあるわけだし
そこから始まる抑うつはやはりあると思うので
どのようなメカニズムなのかと思う

単純に考えれば、やはり気持ちは大いに沈むわけだし、神や運命に対する憤りとかもあるわけだし
そのあとの生活上の困難は実際に小さくなくて
栄養不良や金銭的な貧困や情報の貧困などがあり
脳が萎縮してゆくのだろう
配偶者、職業、家を失うといった事態はそのような複合的な影響を引き起こす

ーーー
思うのだが
配偶者の死、失業、家の喪失など、突然の喪失体験は
悲しいのはもちろんだけれど
反応性の躁状態に似たものを引き起こすかもしれない

お葬式のことで忙しくなったり
財産問題でいろいろとあったり、
新しい環境に適応せざるを得なかったり
その局面だけを考えると脳内の状態としては
躁状態に近いとも考えられる

そのあと本格的なうつ状態が始まると解釈すれば
理解はしやすい

ーーー
配偶者の死、失業、家の喪失などは
失恋よりは一段大きな衝撃で生活そのものが変わってしまうのだけれども
自我機能に与えるダメージとしては失恋もなかなか大きい

配偶者の突然の死とか地震や津波とかは
体験者には特に責任がない
自我の傷つきにはならない

しかし失恋となればやはり
異性として自分が選択されなかったという敗北の感情が先に立つだろう
否認したり合理化したりして必死に自分を守るのもそのせいである

恋愛で躁状態が始まり
失恋でうつ状態が始まるとすれば
それはそれで常識的にはとても理解しやすいのだが
理論としてはすっきり説明しきれない

こてこてで声量豊富

ここで言う、罪を知らないとは、かなり限定された具体的な意味だと
関西弁にするとよくわかる






日本に勇気を、根気を

日本に勇気を
と見かけたが
意味は大いに分かるけれど
勇気というのは言葉がズレていると思う

勇気というような恐怖に打ち勝つ場面ではなくて
こつこつと根性で耐えぬく場面だと思うけれど

一か八か挑戦するのが勇気
この場合は根気
元気でもいい
元気のほうが意味が広いと思う

元気といえば勇気も根気も含むと思う

被災地に必要なのは勇気じゃなくて元気と根気

抗うつ剤の分類・効果・副作用

「table1.pdf」をダウンロード

N.E.J.M 2005年の総説を翻訳して、その中にあった表。

DRUG THERAPY:The Medical Management of Depression
The New England Journal of Medicine 
October 2005
J.John Mann M.D.
From the Department of Neuroscience,
New York State Psychiatric Institute-
Columbia University College of Physicians
and Surgeons, New York.

評判が良くて、ときどき転載の許可を求められたりする。
本当は古いのだけれど、日本は今やっとエスシタロプラムまで来たところで
この表の範囲内に収まっている。
厚労省の選択は妥当で穏当だと思う。





ミルタザピンが表にないのだけれど
記事の中にはある

OTHER ANTIDEPRESSANTS AND NEW THERAPIES
の中に紹介がある

mentalization

物質を扱う能力ではなくて
他人の心を扱う能力とか
自分の心を扱う能力がある

このあたりの話題は時代の共通項で
発達障害の分野でまずさかんに言われていること

ーーー
mentalizationとsomatizationが照応しあわないのも面白い



精神科診断面接マニュアル(SCID)、改訂版 SIGMAを用いたMADRS日本語版によるうつ病の臨床評価

精神科診断面接マニュアル(SCID) 
米国精神医学会が発行しているDSM-IVの1軸にあたる精神障害を診断するための 構造化面接SCID

 the Structured Clinical Interview for Dsm-IV Axis II Personality Disorders: Scid-II 

Ⅱ軸の診断に使う

SCID‐2―DSM‐4 2軸人格障害のための構造化面接 


HAM-D構造化面接SIGH-D

ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)を原版とした構造化面接版。わが国で使用されてきた17項目を修正した21項目評価
とりあえずHAM-Dでしょうね。データとして残すなら。

同様に
MADRS(Montgomery Åsberg Depression Scale)の評価がいいらしい
「改訂版 SIGMAを用いたMADRS日本語版によるうつ病の臨床評価」  
MADRSを用いたうつ病の重症度評価は、欧米諸国では広く行われていますが、わが国では近年になってようやく日本語版の評価者間信頼性を確立した段階です。本書は、わが国でも誰もが簡単に理解して使用できるよう、MADRSが開発された背景や評価尺度の概要をまとめました。また、ハミルトンうつ病評価尺度などの代表的なうつ病評価尺度や自己記入式問診表についても紹介し、臨床評価において他のうつ病評価尺度と比較してMADRSを使用することの的確性について検討できるような内容となっています。
 改訂版では、初版刊行後に公表された大うつ病性障害の重症度評価に関する新しい知見の追加を行ったほか、MADRS日本語版10項目の各項目をSIGMAの質問文と一体化してシート毎に印刷可能なCD-ROM(日本精神科評価尺度研究会発行)が付いています。 
ほかに

M.I.N.I.―精神疾患簡易構造化面接法


観察者による精神科領域の症状評価尺度ガイド


ーーーーー
MADRSについての記事
Stuart A.Montgomery先生のコメント

-MADRSは、1979年に公表され、うつ病の臨床評価に世界中で広く使用されています。先生が、MADRSを開発しようというきっかけはどういうものでしたか?

  MADRSを開発した頃の私はまだ若く、経験もあまりありませんでした。当時、同僚は項目の少ない評価尺度にはあまり関心はもっておらず、多くの項目を含む広範囲の症状評価尺度を用いた研究のほうが面白いようでした。しかし、私は、うつ病を反映する評価尺度の必要性を感じてMADRSを開発したのです。項目として、患者さんの70%にみられる症状に限定し、うつ病の症状であっても、発現頻度の非常に低い症状は変化への感度が低くなりますから、それは外しました。うつ病の主要な症状で、かつ発現頻度の高い症状を反映する尺度にしたかったのです。

1

-MADRSを開発される際に、どのようなところに配慮されましたか?

  ひとつは、異なる文化でも理解できる症状に限定したことです。例えば、「depression」という用語は、アフリカや中東の文化では理解されないことがわかったのです。抑うつ状態はあるのですが、それを「depression」とは呼ばないのです。ですから「depression」という用語を使わず、どの文化にもある「sadness」(悲しみ)という用語にしたのです。
  また、「irritability」(いらいらする、怒りっぽい)という用語は、ドイツとスウェーデンでは「anger」(怒り)と訳されます。ですから、混乱を招くような用語を使わないよう、大変気を配りました。
  一方、評価尺度の感度を調べるのに、いくつかの方法を用いました。個々の項目の感度を、70%以上のうつ病患者に発現した17の症状項目全体と比較して検証し、また個々の項目およびMADRS尺度を、CGI(Clinical Global Impression)尺度と比較して検証しました。
  発現頻度がもっとも高い項目が、感度がもっとも高いということではなく、たとえば、筋緊張やつまらないことを気にかけるなどの症状は、比較的多かったのですが、治療による変化には感度は低く、また食欲減退と睡眠減少の発現頻度はそれほど高くないのですが、治療による変化には敏感でした。 
  ちょうどその頃、DSM(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)の委員会が開催されていたのですが、奇しくもリストの項目がMADRSとほぼ一致していたのです。MADRSは統計解析により、DSMは委員会のコンセンサスにより開発されたのですが、項目のリストは非常によく似たものだったのです。ただひとつMADRSに含まれていてDSMにはなかった項目に、tension(緊張)がありました。私は今でもこの項目はうつ病の中心的症状だと考えています。

臨床におけるMADRSの使用方法

-欧米では抗うつ薬を検討する多くの臨床試験で、重症度の変化を評価する尺度としてMADRSが盛んに用いられていますが、MADRSを用いてどのくらいの間隔で評価するのですか?

  MADRSは特定の評価間隔を想定したものではないのですが、通常は1週ごとに前の週と比べるという方法で用いています。評価間隔が短かすぎると、項目ごとのバラツキが大きくなるという問題が出てきます。たとえば、よく眠れなかった翌日にぐっすり眠った場合など、その項目は大きく変化します。バラツキを少なくするためもあって、従来の試験では平均して7日間の状態をみているのです。こうすると、より安定した測定値が得られます。

-日本では、医師がそれぞれの患者さんに割ける時間は非常に限られているのですが、MADRSを使って患者さんを評価する際にどのくらいの時間をかけますか?

  それは自分の仕事量と患者数により違ってくるでしょう。評価尺度を非常に速く使用できる医師もあれば、ずっと時間をかける医師もあります。初診時には、患者さんに、うつ病の主要症状の程度を調べる必要性を説明して、実際には10~15分かければ、正しく評価できると思います。再診の場合には、問題のある症状がどれかわかっていますので、それを評価します。うつ病を治療する際に、症状がどのように良くなっているかを把握することが重要です。
  一方、寛解に入りつつある場合にはスコアは非常に低くなりますので、一つか二つの質問だけで済ませることはできません。一連の症状を尋ねて、不安や集中力、睡眠、興味などに残遺症状がないことを確認しなければなりません。

-寛解の話になりましたが、MADRSを用いた場合にカットオフ値をどうお考えですか?

  健康者を対象に一連の試験を実施したことがあります。その結果、回復したうつ病と正常とを識別するカットオフ値は、MADRSの合計が12点であることが示されました。現在、大規模な試験ではこの値が用いられています。10点を提唱する人もいますが、私の経験では12点が妥当だと思います。
  また、軽症うつ病は12~21点、中等症は22~30点、重症は30点以上と考えています。 重症のカットオフ値として35点とか28点を提唱する人もいるのですが、30点がもっともよく使われています。非常に重症なうつ病を診察したあとでは、次の患者さんの症状を過小評価してしまいがちで、その逆もあるでしょう。このような理由から、MADRSでは各レベルごとに症状を定義して、この問題を克服しています。

2
-MADRSを使用する際にとくに注意することはあるでしょうか?


  私もMADRS日本語版を作成する際に、原著者としてコメントする機会をいただきました。日本語版では、日本の文化に適したものにするため細心の注意が払われており、MADRSの感度は高いようです。
  MADRSを用いるときに、質問に対してあいまいな回答しか得られていない場合は、真の症状がなんであるのかを探る必要があり、最終的なスコアが正しいことを確信する必要があります。MADRSは半構造的インタビューで、1から順に質問していきますが、途中で前の項目について十分な情報が得られていないことに気付いたら、そこに戻って質問をしてください。患者さんには、このような一連の質問はこれまでなじみのないものでしょうから、すこし詳しく説明しながら質問していかなければなりません。

ーーーー
患者の自己評価よりも医師による評価が良い
1.モンゴメリー・アズバーグうつ病 評価尺度(MADRS)
2.ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)
の順に有用とのこと

ーーーー
そのほかに
FA-A
FA soc
MIACC
MIAA
ACQ
BSQ
WHL
LSAS
SIAS
SPS

CAPS PTSD
BDI-Ⅱ うつ
BAI 不安
SAS 適応
SF-36 社会的機能 QOL
PDSS パニック
PDQ-4R 人格
EDE 摂食障害
IIP 対人関係問題
HAq 治療同盟
ACMTQ 動機付け
WAI 治療同盟
CALPAS 動機
ADIS-Ⅳ 不安
FNE 不安
SPAI 不安
SAQ core briefs
PHQ-9 うつ
GAD-7 不安

そのほか一杯
みんな結構ばらばらなスケールを使っている

ーーー
こういう結果だから、この因子を増強するべきだとかの結論にはならないようだ












Intention-To-Treat Principle

Intention-To-Treat の原則(Intention-To-Treat Principle)

治療に用いる治療方針により得られる効果は、
実際に受けた試験治療ではなく、
被験者を治療しようとする意図(予定した試験治療規定)
に基づくことにより最もよく評価できる、
ということを主張する原則。

この原則から、
一つの試験治療グループに割付けられた被験者は、
予定した試験治療のコースを遵守したかどうか
にかかわらず、
割付けられたグループのまま追跡され、
評価され、解析されるべきであることが導かれる。

ーーーーー
最大の解析対象集団(FAS:Full Analysis Set)

Intention-to-treat の原則に
可能な限り近づけた被験者集団。

最大の解析対象集団は、
ランダム化が行われた全被験者から、
除くべき理由のある最低限の被験者を除外した集団
である。

ーーーーーーー
治験実施計画書に適合した対象集団(PPS:Per Protocol Set)

( 妥当例:Valid Cases 、
 有効性サンプル:Efficacy Sample 、
 評価可能被験者サンプル:Evaluable Subjects Sample)

データの集合であり、
そのデータは基礎となる科学的モデルに従い
試験治療の効果をよく示すと十分考えられる程度に
治験実施計画書を遵守した部分集団
から得られます。

遵守には、
試験治療への曝露、
測定値の利用可能性及び
大きな治験実施計画書違反がないこと
が含まれます。


EFFICACY OF INTERPERSONAL THERAPY-GROUP FORMAT ADAPTED TO POST-TRAUMATIC STRESS DISORDER: AN OPEN-LABEL ADD-ON TRIAL

「efficacy_of_interpersonal_therapygroup_format_adapted_to_posttraumatic_stress_disorder_an_openlabel_addon_trial.zip」

Background: Post-traumatic stress disorder(PTSD)is a highly prevalent
condition, yet available treatments demonstrate only modest efficacy. Exposure
therapies, considered by many to be the "gold-standard" therapy for PTSD, are
poorly tolerated by many patients and show high attrition. We evaluated
interpersonaltherapy,in a group format, adapted to PTSD (IPT-G PTSD), as
an adjunctive treatmentfor patients who failed to respond to conventional
psychopharmacologicaltreatment.

 

Methods: Research participants included 40
patients who soughttreatmentthrough a program on violence in the department
of psychiatry of Federal University ofSao Paulo (UNIFESP). They had received
conventional psychopharmacologicaltreatmentfor atleast12 weeks and failed
to have an adequate clinicalresponse. After signing an informed consent,
approved earlier by the UNIFESP Ethics Review Board,they received a semi-
structured diagnostic interview (SCID-I), administered by a trained mental
health worker,to confirm the presence of a PTSD diagnosis according to
DSM-IVcriteria. Otherinstruments were administered, and patients completed
out self-reportinstruments at baseline, and endpointto evaluate clinical
outcomes.

 

Results: Thirty-three patients completed the trial, but all had atleast
one second outcome evaluation. There were significantimprovements on all
measures, with large effect sizes.

 

Conclusions:IPT-G PTSD was effective not
only in decreasing symptoms of PTSD, but also in decreasing symptoms
of anxiety and depression.Itled to significantimprovements in social
adjustment and quality oflife.It was welltolerated and there were few
dropouts. Ourresults are very preliminary;they need further confirmation
through randomized controlled clinicaltrials. Depression and Anxiety
27:72-77. 2010. 

 

ーーー

 Exposure therapies, considered by many to be the "gold-standard" therapy for PTSD, are
poorly tolerated by many patients and show high attrition.

 

というのは厳しいですね。確かにそうなんですが。

 


Randomized Trial of Dual-Focused Vs. Single-Focused Individual Therapy for Personality Disorders and Substance Dependence

「randomized_trial_of_dualfocused_vs. Single-Focused Individual.zip」

 

The co-occurrence of axis I and II disordersの場合に
 dual-focus integrative treatmentを行う話

 

 

Abstract: We conducted a randomized comparison of dual-focus schema
therapy with individual drug counseling as enhancements to the residential
treatment of105 substance-dependent patients with specific personality dis-
orders versus those without. Both therapies were manual-guided and delivered
for 6 months by experienced psychotherapists intensively trained and super-
vised with independentfidelity assessment. Using the Cox proportional hazards
model, we found no psychotherapy differences in retention (days in treatment).
Hierarchicallinear modeling indicated that participants with personality dis-
orders started with higher psychiatric,interpersonal, and dysphoria symptoms
and that both therapies reduced symptoms in 6 months. Contrary to predic-
tions,individual drug counseling resulted in more sustained reductions than
did dual-focus schema therapy in several symptoms for several personality
disorders. Ourfindings raised important questions aboutthe added value of
integrative or dual-focus therapies for co-occurring personality disorders and
substance dependence relative to empirically supported therapies focused more
specifically on addiction symptoms.
Key Words: Personality disorder, substance dependence, psychotherapy,
schema tlierapy, drug counseling.
(J Nerv Ment Dis 2011;199: 319-328)


The co-occurrence of axis I and II disorders is very common and
associated with severe psychosocialimpairment(Crouse et al.,
2007; Mertens et al., 2003; Oldham et al., 2009). Although most
clinicians and experts believe thatthese complex patients with axis I
and II disorders need intensive orintegrative treatments,there is very
little research that supports the efficacy ofintegrative or dual-focus
models in comparison with treatments that primarily target one ofthe
disorders (Conrod and Stewart, 2005; Kienast and Foerster, 2008).
There is substantial evidence that psychotherapy and intensive psy-
chosocialtreatments are effective for personality disorders (PDs), and
many patients in more than 100 axis IItreatment outcome studies had
co-occurring axis 1 disorders (Leichsenring and Leibing, 2003; Perry
et al.,1999; Sanislow and McGlashan,1998; Verheui and Herbrink,
2007).In addition, outcomes have been evaluated for subgroups of
axis II patients in the treatment of an axis I diagnosis such as mood
(Diguer et al.,1993; Hardy et al.,1995; Shea et al.,1990), eating
(Fahy et al.,1993; Johnson et al.,1990), anxiety (Brown et al.,1995;
Stravynski et al.,1982), and substance use (Cacciola et al.,1996;
Messina et al., 2003; Woody et al.,1985) disorders. Furthermore,
many treatment outcome studies specifically targeting borderline PD

have included patients with axis I diagnoses, most commonly mood
disorders (Bateman and Fonagy,1999. 2008; Blum et al., 2008;
Clarkin et al., 2007; Davidson et al., 2006; Giesen-Bloo et al., 2006;
Hoglend,1993; Linehan et al.,1991. 2006; Ryle and Golynkina,
2000). However, very few randomized trials have been conducted on
psychotherapy models that provide an integrative or dualfocus in
managing and ameliorating the symptoms of both axis I and II dis-
orders orthatinclude a broaderrange ofPDs.
Dialectical behaviortherapy (DBT; Linehan,1993)for border-
line PD and schema therapy (Young,1994)for a broaderrange ofPDs
have both been adapted and evaluated for substance-dependent
patients in smallrandomized trials and have shown promising results
(Ball et al., 2005; Ball, 2007; Linehan et al.,1999,2002).In addition,
Gregory et al.(2008. 2010) have developed and tested an integrative
psychodynamic modelfor co-occurring borderline PD and alcohol
use disorders that has shown a promising acute treatment and follow-
up (Gregory et al., 2010) symptom improvement. An important
question is whetherthe increased time, cost, and complexity of
training, supervision, and delivery ofintegrative models for dual
disorders is justified based on their superior outcome compared with
existing evidence-based therapies focused mostly on the symptoms of
one ofthe disorders. To date,there is limited supportforthe use of
DBT in substance-dependent patients with borderline PD compared
with an addiction-focused comparison therapy (Linehan et al., 2002;
van den Bosch et al., 2002). A very small clinicaltrial suggested that
DBT may be betterforthis population than would be an uncontrolled
therapy-as-usual,for which limited symptom change seemed best
explained by poorretention and utilization (Linehan et al.,1999).
Similar concerns aboutthe small sample size and the differentialin-
tensity of an uncontrolled treatment-as-usual can be raised aboutthe
promising dynamic deconstructive psychotherapy model by Gregory
et al.(2008. 2010). The current study compared the efficacy of
the dual-focus schema tlierapy (DFST; Ball,1998. 2004; Ball and
Young, 2000), which treats a broaderrange ofPDs and substance de-
pendence, versus individual drug counseling (IDC; Mercer and Woody,
1999), which specifically targets addiction symptoms. Both DFST and
IDC were manual-guided weekly individualtherapies delivered during
the first 6 months in a residentialtherapeutic community.
We have focused on PDs and substance dependence because
these are the most common forms of co-occurring psychiatric dis-
orders and are especially prevalent(70% to 90%)in inpatient or
residential programs (Verheui et al.,1998a). Numerous studies have
found that PDs are associated with worse substance-related outcomes
when provided with routine or standard addiction treatment(Verheui
et al., 2005) butthatthe poor prognosis of antisocial and borderline
PD may be mitigated by adding psychotherapeutic (Cacciola et al.,
1996; Woody et al.,1985), psychiatric (Nace and Davis,1993),
contingency management(Messina et al., 2003), ortherapeutic
community interventions (McKendrick et al., 2007; Ravndal et al.,
2005). Forthis reason, we developed and tested DFST as the first
integrative cognitive behavioraltherapy forthe fullrange of PDs
found in substance-dependent patients (Ball,1998; 2004). DFST
showed promise in two smallrandomized trials when tested against
an individual12-step facilitation therapy in methadone-maintained
patients (Ball, 2007) and against group drug counseling with home-
less substance-abusing clients (Ball et al, 2005)



躁うつとうつ

原稿を作る必要があり、まず、あちこちから採録

ーーーーー
欝というと何かとSSRIが処方され、その結果躁転して、医原性の「双極2型気分障害」になってこじれたケースの多さです

SSRIにせよ、三環系、四環系にせよ、「抗うつ薬」がふさわしい群と、抗てんかん薬系の「気分スタビライザー」がふさわしい群に分かれます

患者さん鬱状態になった時にしか来院しないので、いよいよ鑑別は難しくなり

躁極Ⅱ型が増えたのではなく、今まで医師が見過ごしてきただけ

抗鬱剤から、デパケン、ラミクタール等の抗てんかん薬系「気分スタピライザー」系を中心とする投与に切り替えるよって気分の波はかなりの程度収まります

ライフスタイルも変化しないと。「燃えて」生きるのではなく、もっとクールに生きられる余裕が形成されないと再発します

双極2型の人は、躁方向に+1とか+2の時をプラスマイナス0だと勘違いして生きています。このへんの「自己モニタリング」に練れてもらう必要があります

ーーーーーーーーーーーーーー
 うつ病の「うつ状態」は、「さみしさやもの悲しさが中心にあり、何かしたいと思っいても、実際に行動に移せないのが特徴」です。

 統合失調症のそれは、「さみしさやもの悲しさはありません。意欲が減退して無気力になり、何かしたいと思う気持ち自体がなくなります。」

 うつ病と統合失調症が混合している場合もあり、その鑑別は難しい場合もあるようです。

→これなどは、内容診断になっている。構造診断になっていない。

ーーーーーーーーーーーーーーー
躁うつ病とつきあうために
• 医学的な治療を十分にうける
• 自分の今の気分の状態をよく知る
• 治療目標の設定を明確にする
• 生活のリズムを整える
• ストレスとの付き合い方を学ぶ
• 治療の仕上げにリハビリを

ーーーーーーーーーーーーーーー
躁うつ病の治療
    
気づくことが第一歩
    一生のうち100人に2~4人が発症
うつ病と思われていた10人に1人が躁うつ病と判明
躁・うつの波をどうやってコントロールするか
    最大の治療目標
(うつ病は、うつを良くすることが、治療目標)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
うつ病相の治療
• クエチアピン
• リチウム(8週間は経過観察)
• オランザピン
• ラモトリギン
• リチウムとラモトリギンの併用
          推奨されない治療
          三環系抗うつ薬の使用
抗うつ薬の単剤治療など

ーーーーーーーーーーーーーーーー
うつ病の診断においては、軽躁と鬱を繰り返す双極II型障害を単極性・反復性と誤診するなど、双極性障害と見分けがつきにくいケースが多い。患者側も、睡眠時間が短くてもすんでしまうなど現代の過酷な社会環境にむしろ適応的であり、ばりばりと働けたなどの充実感などのため、軽躁状態を異常と認識せず、主治医に申告しないこともある。
そのため、大うつ病性障害など「うつ病として」受診に来た患者を診断する場合、初診で躁病エピソードの既往症(軽躁エピソードは特に)を確認し、双極性障害でないかどうか明確に鑑別しておくことが何よりも重要であるとの指摘がある。これは、大うつ病性障害などの単極性の気分障害と双極性障害は、治療法が根本的に異なるためである。
また、長期経過の中で、うつ状態に加えて躁状態も生じる場合にも、双極性障害(いわゆる躁うつ病)の可能性がある。そのため、躁状態に転じることを常に注意し、素早く対応することが必要であるとも指摘されている。
うつ病を繰り返し生じる場合には、反復性うつ病と呼ばれており、これも、遺伝研究などによって、躁うつ病と根本的には同一の疾患であるとされている。
一方、再発のないうつ病は、単一エピソードうつ病と呼ばれ、躁うつ病とは異なった疾患であると考えられている。

ーーーー
うつ病の落ち込みと普通の落ち込みはどこが違うか

なかなか回復しない・・・2週間以上

何事にも興味が持てず楽しくない

ほとんど毎日気分が沈む

2週間・・・・朝青龍「あと3日でうつ病になってしまう!」


ーーーーー
対人関係療法 ネットワークの修復 
ネットワークが回復すれば自動回復パッチプログラムがインストールされ


ーーーーー
循環するのではなくて
レベルダウンしている

抑制が外れる
順次外れる
ーーーーーー
国際的には効果が確認されている治療法
というのだが


自分たちのやっていることを検証していない
日本語で何をしているのか

ーーーーー
上がってしまう と考え易いが 実は 抑制部分が壊れている

薬は 何かを上につくるのではない 最上位部分を壊している

ーーーーー
子供って 躁状態
子供の生活を分析

躁状態に枠をはめて最大能率を引き出す

ーーーーー
躁状態、うつ状態、強迫性状態

ーー
社会リズム療法
いつくかのリズム
どのリズムから整えていけばよいか

ーー
うつ病と躁うつ病の根本的な鑑別は長期経過である
ところがDSMは経過診断を拒否している

現在見られる症状のセットだけで診断できないかトライするのがDSMである
だからDSM主義で
うつ病と躁うつ病を鑑別しろというのが矛盾である

ーー
適応拡大ではなくて
疾患区別解体である

ーー
BPⅡがBPⅠとまったく違う疾患である
という言い方は連続体仮説を否定している

観音様と菩薩様とお地蔵様と違うと言い張るようで
もともとないちがいをちがうと言いはっても
仕方がない

ーー
BPの人に抗鬱剤を使うと躁転のきっかけとなってしまうのでだめ
ーー
アスキカルはまず、従来『抑うつ神経症』ないし『神経症うつ病』と呼ばれてきた慢性の抑うつを示す疾患に、双極性の気分変動を示す群を見出した。
 この病態は、その名が示すように、従来、内因性ではなく、神経症性、あるいは性格的な要因の強いものとされてきた。

 アスキカルはそこに内因性の変動を認め、REM睡眠などの生理的な指標も内因性気分障害の病態と同じ傾向を示すと報告した」

→これは当然

ーーーーー
、「躁」と「軽躁」とは単に量の違いではなくて、質の違いでもある

「躁」と「軽躁」の質的な鑑別指標のひとつとして内海氏が掲げるのは、観念や思考の「転導性」=「移ろいやすさ」

 躁状態の場合、「観念放逸」と呼ばれる、話や行動が前後の脈絡が全然ない飛び方をする。そこには生産的なものは何もない。

 ところが、軽躁状態では、転導性は必ずしも明確ではない。軽躁状態でも微細な観念放逸や転導性がある場合もあるとクレペリンが観察してることを内海氏は否定はしないものの、軽躁を躁から区別する、より実践的なポイントとして、

「まとまった作業を遂行できること」

を掲げている。

 「場合によっては、注意が散乱するどころか、むしろしつこいと思われるくらいに、ひとつのことに執着する場合もある。

 他方、躁状態で成功することはほとんどあり得ない。(中略)軽躁では、場合によってはある一定の成果をもたらすことがある」(pp.41-2)

「この事例で見られるように、軽躁では観念放逸に代表されるような、転導性はみられない。もしあったら、相手をひきつけるような「魅力的で委曲に富んだ企画書」など書けるべくもないし、計画を遂行していく粘り強さなどは求めるべくもない」

ーーーーー
、本人にとっては軽躁こそいい状態、理想状態ですらあるという感じ方のことを、内海先生は、「軽躁とは、自我違和的ではない」と表現している

 軽躁状態の指標のびとつは、その軽躁のさなかにあっては、本人にとってはそれが「普通で順調な状態」と認識されつつも、周囲の人から見ると、やや「多弁で元気がよ過ぎ」かな?・・・というふうに感じられる形で、自他の実感の間にギャップが生じる状態だということ

ーーーーー
軽躁と躁状態を厳密に区別することは
薬剤選択としては必要がない

ーーーーー
 「双極II型障害では、ある程度踏み込んだ精神療法が必要である。(中略)

 彼ら彼女らは、「支持的[supportive]」といわれる対応では物足りないと感じる。(中略)通常この類型の人たちは強い刺激を必要としている、通り一遍の対応では彼ら彼女らにとって隔靴掻痒[=かゆい所に手が届かない]のごとくとなる。(中略)

 より積極的な見方をするなら、BPII[双極性II型]に対しては、精神療法は実質的な効果を持ちうる。

 俗に「うつ病者は病気から学ばない」という。ひとたび回復すれば、何ごともなかったかのように、現実に戻って行く。それゆえ、同じところで躓き、再発を繰り返す事例もある」(pp.154-6)

 よく、鬱に関して、「それまでとは生き方を変えましょう」的な啓発運動が成される傾向があるが、これは古典的なメランコリー型単極性うつ病の人たちに対しては大事なメッセージかもしれない。

 つまり、ひとつには、今述べられていたように、古典的な鬱の人は、ひとたび回復すると、以前と同じライフスタイルに立ち戻り、再発する場合も少なくないことに歯止めをかけるという意味で必要かもしれないということである。

 もうひとつには、古典的な鬱の人は、組織や権威や集団のもたらす価値観への安定的な帰順意識も強いので、こうした呼びかけを「押し付けられた」ものとは感じにくい可能性もあろう。

 (ところが、双極性2型の人だと、もともと変化に富んだスリリングな人生を歩んできた人が多いので「何を今更!」と思うか、あるいはもう一度軽躁的チャレンジをはじめるという形で「誤解する」きっかけになるか、それとも、他人や権威から「変われ!」といわれることに反発するかのいずれかになる可能性が高いと思う。このあたりの話題は第4回で書くつもりである)

****

 そして内海氏は、古典的なうつ病域の人が経験から学ばないのと比べる形で、次のように締めくくっている:

 「BPII[双極2型]では、罹病中に経験したことは、よきにつけ、あしきにつけ、その後にも刻印される。

 実際、精神療法の効果は、回復後にも持続しているし、回復後も精神療法は有効である。」(p.156


ーーーーー
スイスのオイゲン・ブロイラーという精神病理学者(精神分裂病=統合失調症という疾病概念の提唱者。フロイトの初期の擁護者としても著名)が、統合失調症の人と躁うつ病(単なるううつ病ではありません)の人の病前性格を比較するために、前者を「分裂性性格」、後者を「同調性格」としてとらえることを提唱しました。

 ここでいう躁うつ病の病前性格としての「同調性」というのは、世間一般で言う「協調性」ということと一見似ていますが、実はもう少し厳密な定義がなされています(このへんがあいまいなまま人口に膾炙し、一般的な解説がネット上でも流布しているようですので用心してください)。

 ここでいう「同調性」というのは、単に周囲に溶け込むだとか、「場の空気を壊さない」(今風に言えば"KY"ではない)ということではないようです。

 この種の言い方って、暗に、社会性を確立するための、単なる「処世術」として、あるいは対人スキルとして「身につけて」しまえる筈のもの・・・・という含蓄がある気がします。

 しかし、ブロイラーの発想を更に深化・発展させた、フランスのミンコフスキーという精神病理学者は、この、鬱病者における「同調性」について、著書「精神分裂病―分裂性性格者及び精神分裂病者の精神病理学」の中で、次のように述べていることを内海先生は紹介しています。

 「ミンコフスキーによれば、分裂性と同調性は単なる性格標識ではなく、むしろ個々の特徴の間隙に位置して、それぞれの特徴に独特の色彩を与え、環界に対する個々の態度を規定するものである」(p.130)

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 うつ病になりやすい人は、周囲の人が何を感じていて、何を求めているのかを「察する」共感的センサーが敏感であり、しかもそのセンサーの精度は、その人が健康度が高いうちには驚くほど的確で、分裂質の人のような「思い込みの暴走」「関係念慮」には容易には陥らない。自分と関わる相手との適切な距離感を保ちながらも、その場その場にふさわしい「気配り」を実際に行動として取って行くことが実に上手である(内海氏の著作のp.139参照)。

 この「気配り上手」のことを、この内海氏の著作では「他者配慮」ないし「対他配慮」という言葉で表現していることが実に多いことは、この本をお読みの読者の参考になるかもしれない。

 鬱になりやすい人持つ「同調性」とは、単に周囲に迎合するなどという浅薄な次元で「協調性」のことではなく、このような、敏感なセンサーに基づく細やかな対人配慮のことを指すことを改めて強調しておきたい。

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古典的な「メランコリー型」うつ病は、実は第2次大戦敗戦国である日本と「西ドイツ(!)」において、戦後の復興を経て高度経済成長期に入るという、固有の経済発展様式を取らざるをえなかったために、結果的に、1970年代まで、他の欧米諸国よりも「遅延されて」残存した、実は「オールド・タイプ」のうつ病のあり方であるに過ぎず、現在ではこれらの国でも、主として中年以降の世代にのみ残存している病態であるに過ぎないのではないか?

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 今日、鬱は昔よりも「軽症化」しつつあると言われているのに、実際には、昔の鬱病の患者さんの方が、きちんとした服薬や休養生活(場合によっては入院)を経れば、長くても数ヶ月以内に社会復帰できる人がずっと多かったということを、さまざまな精神科医の先生が指摘している。

 鬱になる人の病態のマジョリティー(多数派)自体が、時代と共に変質してきている可能性を多くの専門家が認め、「新型うつ病」「非定型うつ病」などという言葉が繰り返しマスコミに載るにも関わらず、古典的な「メランコリー型」うつ病ではない人たち(本書で取り上げられている「双極性2型」以外にも、「気分変調性障害」「双極スペクトラム障害」などと診断される方たちを含む)に対する少なからぬ医者の取り上げ方は、どこかしら「近頃の若い者は・・・・」的なノリで、そうした人たちの「性格の問題」という言い方が安易に振り回される傾向があるように思えてならない。

 しかし、それは実は根本的な認識不足なのではないか?

 結局、医者の側が時代の変遷についていけていないことの「逃げ口上」ではないのか?

そうした問題提起をする上で、この著作以上に強力な著作は、刊行3年めにして、まだ現れていないように思われてきたのである。 
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 「飯田真によるメランコリー親和型性格の発達史論は、特筆すべきものであったように思う。

 以下にその要諦を示す:

依存欲求の強い個体があり、依存対象への希求が何らかの形で挫折する。
対象は断念される一方で、幻想的な一体化願望が形成される。
代償として、強迫的な性格防衛が形成される。
権威的な人物や価値観が対象として選択され、権威が超自我として内面化される。
権威からの期待に応えるべく、勤勉の論理が発動される。結果的に、個体は社会的な自立を達成する。
権威へのひそかな依存が獲得される」(p.199)
 「こうした性格が形成される条件がある。すでに指摘したことだが、戦後の一時期、日本と西ドイツという、歴史的、地誌的に限定された中で、こうした類型が析出したのである」(p.202)

 ・・・・・内海氏がここで飯田真先生の論文から引用している「依存欲求」というのが、実は先日お亡くなりの土居健郎先生が言われた、本来の意味での『甘え』の問題に他ならないことをお察しの、読者の方もおられることかと思う。
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躁鬱混合状態の問題
→なぜおこるのか、なぜ可能なのか

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1.おさらい
2.提案

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おさらい
単極性ならば抗鬱剤
双極性ならば気分安定剤

単極性と双極性をどうやって区別するのか
→経過で見るのが正しいのだが、それ以外の、現在区別できる基準が欲しい
→双極Ⅱ型のうつの特徴
不全感、易変性、部分性
不全性・・症状が出揃わない
易変性・・変動しやすい
部分性・・出現に場面依存性がある

パニック、人格障害、Alcohol、薬物依存など併存症が起こりやすい

躁鬱混合状態が起こりやすい


















































双極性障害と境界性人格障害の鑑別と共存

「精神科治療学」という雑誌の2005年11月号に,自治医科大学の阿部隆明先生と加藤敏先生が書かれた「双極性障害と境界性人格障害の鑑別と共存」という論文。

まずは抄録を以下に引用。

「近年,境界性人格障害と双極性障害の鑑別が重要視される背景には,操作的診断に基づいた境界性人格障害の安易な診断と,境界性人格障害様症状を呈する双極性障害の増加がある。
とはいえ,境界性人格障害の診断基準に掲げられたほとんどの症状は感情障害でも観察されるために,両者の鑑別と共存が問題になる。
とりわけ,双極Ⅱ型障害のうつ病相や気分循環性気質などの微細な躁的因子を内包する病態で,境界性人格障害様の症状は出現しやすい。
この場合は,同一性の障害や特有の防衛機制の有無などに注意を払い,境界性人格障害と鑑別して気分安定薬中心の処方をする必要がある。
他方,境界性人格障害に双極性障害が合併するケースでは,境界性人格障害の人格病理を踏まえた精神療法的な対応に加え,同時に存在する双極性障害にも目配りし,薬物療法的な配慮を忘れてはならない」

双極性障害(躁うつ病,躁鬱病)の経過中に境界性人格障害を思わせるような症状が出現することがしばしばあるので診断には慎重にならなければならない。
一方で,双極性障害と境界性人格障害がそれぞれ独立した疾患として同じ患者さんに併存することもあるので,その場合は両者のバランスを考えた治療が必要になります。

以下に,この論文の本文をできるだけわかりやすく要約してみましょう。

論文の前半はスキップ。


Ⅲ.境界性人格障害の診断基準にみられる「感情障害」の要素

感情障害とはうつ病や双極性障害の総称です。
この項で筆者は,DSM-IV-TRの境界性人格障害の診断基準を取り上げ,感情障害との関連を論じています。

(1) 「現実に,または想像の中で見捨てられることを避けようとするなにふりかまわない努力」→軽うつ状態で依存性が目立つようになったうつ病症例でも認められる。

(2) 「『理想化』と『こきおろし』の両極端を揺れ動くことによって特徴づけられる不安定で激しい対人関係の様式」→軽躁状態ないし混合状態でも認められる。

(3) 「同一性障害」→躁とうつの転換が頻回な症例では,「本来の自分がわからない」と自己像が不安定になることがある。

(4) 「自己を傷つける可能性のある衝動性で,少なくとも2つの領域にわたるもの(例:浪費,性行為,物質乱用,無謀な運転,むちゃ食い)」→いずれも軽躁状態や双極Ⅱ型障害のうつ病相でよく認められる。

(5) 「自殺の行動,そぶり,おどし,または自傷行為の繰り返し」→もちろんうつ病でも認められる。

(6) 「顕著な気分反応性による感情不安定性」→混合状態でも認められる。

(7) 「慢性的な空虚感」→慢性経過をたどるうつ状態や気分変調性障害でも認められる。

(8) 「不適切で激しい怒り,または怒りの制御の困難」→軽躁状態,混合状態でも認められる。

(9) 「一過性のストレス関連性の妄想様観念,または重篤な解離症状」→うつ病相でも認められる。

(1)~(9)のうち5つが認められれば境界性人格障害と診断されることになっているが,ここに示したように,軽躁状態や混合状態を呈していればこの基準を満たしてしまうことは十分ありうる。

双極性障害と境界性人格障害の症状が同時に現れる場合は,双極性障害の診断が優先されるべきである。


Ⅳ-1.境界性人格障害と誤診される双極性障害

よく問題になるのは,手首自傷や大量服薬による頻回の自殺企図に及ぶ双極性障害の症例。
入院させてみるとむしろ軽躁的な面も目立ち,病棟内で逸脱行動を呈することも少なくない。

治療者の些細な言動に対し「見捨てられた」と思い込み,行動化に至る。
治療者はどうしても表面上の問題行動に目を奪われがちで,背景にある微細な気分変動を見逃すことになりやすい。
人格の問題として突き放したり,(境界性人格障害の治療に準じて)厳格な限界設定を試みて治療関係がさらに悪化することもしばしばである。

患者さん本人も躁やうつのために自分の本来の性格や生活史について正しい評価ができず,「本来の自分がわからない」といった(境界性人格障害の診断基準のひとつである)同一性の障害を疑わせる発言をする。
治療者に対する患者の態度は気分の変動に左右されてくるくる変わることがあり,「理想化をこきおろし」というこれまた境界性人格障害の診断基準を満たすことになる。
こうして,衝動制御の障害,感情不安定性,同一性の障害,対人関係の障害といった境界性人格障害の診断項目が揃ってしまう。

ここで機械的に境界性人格障害の診断を下し,告知をすると,患者が絶望し,本来の双極性障害の経過に悪影響を及ぼすことになりかねない。
しかし詳細に病歴を聴取してみると,幼少期の発達や人間関係は問題なく,学校や職場でもそれなりに評価されていることが少なくない。
こうした,家族や職場での評価が,(人格障害ではなく双極性障害の)診断を下す決め手となる。

このような病像を呈しやすいのは双極Ⅱ型障害である。
治療者は,うつ病や躁うつ病の症状の出現様式が境界性人格障害の臨床特徴と重なる部分が多いことを認識しておくべきである。

また薬物の選択も重要である。
双極性障害の患者を人格障害と誤診した場合,抑うつ症状や衝動性を人格障害の症状と解釈してSSRIを中心とした抗うつ薬が使用されるが,このことで混合状態や急速交代化が起こり,より問題が複雑化することがある。


Ⅳ-2.双極性障害と誤診される境界性人格障害

また治療者への陽性転移,これに引き続く陰性転移において,気分の高揚,または落ち込みといった気分変動が交互に出現することがある。
そうした場合,治療者は転移現象が意味していることについて全く理解せず,双極性障害と診断し,薬物療法一辺倒の治療を試みることがありうる。

このように,境界性人格障害における転移下の気分変動を真正の気分障害と誤診してしまうことにも十分な注意が必要であろう。
たしかに,この気分変動はDSM-IV-TRに照らせば気分障害と操作的に診断される可能性があるが,治療において両者は区別されるべきである。


おわりに
近年,双極性障害が境界性人格障害か,あるいは両者の合併かと議論されるケースが増えた印象がある。
臨床上は感情不安定性や衝動性の背後に双極性障害が潜在する可能性を絶えず念頭に置いて治療していく必要があろう。

ようするに,

(1) 双極性障害と境界性人格障害の鑑別は難しい。
(2) 双極性障害を境界性人格障害と誤診すると,精神療法に傾きがちで,必要な薬物療法を施すことができない。
(3) 境界性人格障害を双極性障害と誤診すると,薬物療法に傾きがちで,必要な精神療法を施すことができない。

シャラポワvsロブソン

シャラポワvsロブソン
日本では高温多湿
6月の国内史上最高気温! 熊谷で39・8度
午前1時30分
東の空に上弦の月
シャラポワが一打ごとに吠えている

普通に考えれば
こんなに美しいのだから
戦う理由などないはずだと思うのだ

劣等感の強い人間ほど
補うために自分を大きく見せたくて
大きな家に住んで大きな車に乗りたがる

しかしシャラポワはすでに完全に美しい
欠如などないのに
これ以上何を求めるのだろう

シャラポワの靴がいい

ーー
テニスのゲームならどっちが勝つか決められる

人間はセックスの場面では公式戦がないだけで
いつでも戦っていると思う

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